北朝鮮、核・ミサイル能力を攻撃から守る取り組み 国連委が報告

[国連 4日 ロイター] – 国連安全保障理事会の北朝鮮制裁委員会の専門家パネルは報告書で、北朝鮮は核・弾道ミサイル開発プログラムを維持しており、いかなる軍事攻撃を受けても核・ミサイル能力が破壊されることがないよう取り組んでいると指摘した。

ロイターが4日、報告書を確認した。今月下旬にはトランプ米大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長による2回目の会談が計画されている。昨年6月の会談で金委員長は非核化に取り組むと約束している。

報告書は北朝鮮が「空港を含む民間施設を使って弾道ミサイルの製造・試験を行っている」とし、これは既に存在が明らかになっている核・ミサイル製造施設に対する攻撃による致命的ダメージを防ぐ狙いがあると説明。

その上で、北朝鮮が「製造、保管、試験施設を一貫して分散させる傾向にあるとの証拠をつかんだ」としている。

北朝鮮国連代表部は317ページにわたる同報告書についてコメントの求めに報じていない。報告書は1日に安保理メンバーに提出された。

制裁委の専門家パネルは北朝鮮が石油製品や石炭を制裁を回避して密輸するため、海上で違法に積み替える「瀬取り」を大幅に増やしているとし、「最新の国連制裁の効果を損ねている」と指摘した。

1回の瀬取りで5万7600バレル強、額にして570万ドル強というこれまでにない規模の石油製品の密輸が行われた証拠があるという。

報告書は北朝鮮が武器禁輸の制裁も違反していると主張。中東やアフリカの武装組織や政府に「広範な軍事装備品」を、リビアやスーダン、イエメンの反体制派には小型武器を販売しようと試みているとした。

さらに、サイバー攻撃を通じて、または金融機関や仮想通貨取引所からの違法な送金の強要によって、経済制裁を逃れる傾向があると報告している。

北朝鮮はぜいたく品も制裁対象となっているが、比較的新しいロールス・ロイスのリムジンが昨年10月7日に平壌で公共の場に現れており、専門家パネルはこれについて調査していると明らかにした。

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