プラゴミなど海洋汚染の対策提言、G20に向け=科学アカデミー

[東京 6日 ロイター] – G20(20カ国・地域)各国の科学アカデミーで構成するサイエンス20(S20)は6日、主催の日本学術会議がまとめた海洋汚染対策を共同声明として採択した。海洋プラスチックなど海の生態系を破壊・汚染する要因を低減・除去するため、各国の科学者によるデータ管理システムの構築など6つの提言から成る。6月に大阪市で開催されるG20首脳会議をにらみ、具体的な対策の立案に向けて日本政府内でも議論が加速する見通し。

S20は、各国科学アカデミーがG20首脳会議での政策提言を行うために2017年に発足。今回が3回目の開催となる。

提言内容は、1)海洋資源開発に対し、好ましくない影響を防ぐための科学的根拠に基づく助言の必要性、2)水産資源の乱獲や汚染など、海洋生態系へのストレスとなる要因の軽減を目的とした行動、3)科学的根拠に基づく目標設定、4)研究船、観測・監視技術等の調査・研究基盤の強化や人材育成、5)世界中の科学者がアクセス可能なデータ保管装置と管理システムの確立、6)国際協力の下で推進される調査・研究活動と情報の共有化──など。

例えば、抗生物質や殺虫剤などによる河川汚染の海への影響、海洋プラスチックゴミが海洋生物に取り込まれる可能性など、様々な要因で進む海洋汚染を定量的に把握するため多くの研究が必要と主張し、地球環境の悪化に対応する必要性を強調している。

(竹本能文 編集:田巻一彦)

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