(Ed Jones/AFP/Getty Images)

中国、2月の失業率悪化 景気減速続く

中国国家統計局は14日、2月の経済指標を発表した。2月末の全国城鎮(都市部)調査の失業率が5.3%で、2017年2月以降の高水準となった。1月末の5%と昨年12月末の4.9%から悪化し、経済の減速が一段と鮮明化している。

また、今年1~2月まで全国城鎮(都市部)新規雇用者数は174万人で、昨年同期の176万人と比べて2万人減少した。2017年1~2月の188万人と比べて、14万人も減った。

国内総生産(GDP)統計と同様に、中国当局が公表する雇用や失業率統計の信ぴょう性が疑問視されている。米民間研究団体、全米経済研究所(NBER)が2015年8月に発表した研究報告では、中国の実質失業率は、当局公表の3倍との見方を示した。

中国人力資源および社会保障部(省)が発表する城鎮(都市部)登記失業率は過去10年間、4%前後の水準で推移している。

海外研究者は、中国当局の雇用調査は都市部の人口のみを対象にし、農村からの出稼ぎ労働者数億人を対象外にしていると指摘した。

国内雇用情勢の悪化について、中国当局は社会不安をもたらす原因になるとして、神経をとがらせている。

中国の李克強首相は、3月5日に開幕された全国人民代表大会(全人代)で行った政府活動報告において、「雇用の安定化」を再び強調した。当局は昨年7月の中央政治局会議以降、各地方政府に「雇用の安定化」を求めてきた。

いっぽう、国家統計局は14日、1~2月の工業生産は前年同期比5.3%増と発表した。伸び率としては、世界金融危機発生の2009年以来、10年ぶりの低水準となった。自動車や半導体の生産低迷が主因だという。

経済指標の悪化を受けて、14日の中国株式市場が下落した。主要株価指数の上海総合終値は3000台を割り込み、前日比1.19%安の2990.685ポイントを付けた。

(翻訳編集・張哲)

関連記事
北京に10年ぶりの強風オレンジ警報が発令され、市民は物資を買い占めた。スーパーの棚は空になり、物流にも影響が懸念されている。
ミャンマーが壊滅的な地震に見舞われている中、中国共産党は静かに影響力を強めている。軍事政権に武器を供給し、人道支援を妨害し、危機を利用して習近平の「一帯一路構想」世界拡大戦略を推し進めている。
すき家事件で一躍注目の的になっている「ネズミ」しかし中国の市場では堂々とネズミ肉が取引されている。美味しいらしいが、健康リスクも指摘される。
中国でさらなる党支部拡大の動き、会社組織だけでなく集合住宅地にも?
中国で「中国政府の政策を批判しただけで…」職場が「消えた」?