アングル:メイ英首相の後継者は誰か、候補の顔ぶれ

[ロンドン 27日 ロイター] – メイ英首相は27日、下院で2度否決された欧州連合(EU)離脱合意案について、3度目の採決で可決されれば辞任すると表明した。

メイ氏の後継候補者の略歴は以下の通り。

●マイケル・ゴーブ氏(51歳)

2016年の離脱キャンペーンで最も知名度が高かった人物の1人。キャメロン前首相の辞任表明に伴い16年に行われた保守党党首選ではメイ氏に敗れ、環境・食料・農村相に就いた。

精力的で、新たな政策を進める上で閣内で最も実行力があると目されている。予想に反してメイ首相の味方になり、これまでのところ首相の離脱方針を支持している。

16年の離脱キャンペーンではボリス・ジョンソン氏と手を組んだが、党首選では土壇場でジョンソン氏への支持を引っ込め、自身が出馬した。

賭け屋のオッズではゴーブ氏が次期首相の最有力候補で、首相就任の確率は22%となっている。

●ボリス・ジョンソン氏(54歳)

メイ氏批判の急先鋒。メイ氏のEU離脱交渉の進め方に抗議し、7月に外相を辞任した。多くの反EU派から2016年のEU離脱キャンペーンの顔と目され、昨年10月の保守党党大会では強い口調で自説を展開した。保守党は低税率と強硬な政策という従来の方針に回帰し、左派、労働党の政策を模すべきではないというのが持論。

●デービッド・リディントン氏(62歳)

事実上の副首相で、16年の国民投票ではEU残留を支持。国民投票に先立ちキャメロン前首相がEUと再交渉を試みた際、主要な役割を果たした。

暫定的な首相候補として名が挙がっているが、週末にはメイ氏の後任に就く意思はないと述べた。

●ジェレミー・ハント氏(52歳)

7月に辞任したジョンソン氏に代わり、保健相から横滑りで外相に就いた。保守党員はEU離脱を巡る見解の相違をいったん棚上げし、共通の敵であるEUとの戦いで団結すべきだ訴えている。2016年の国民投票ではEU残留に投票した。6年にわたり保健相を務めた経歴を持つが、有権者の支持は今一つ。

●ジェイコブ・リースモグ氏(49歳)

古き良き英国紳士のイメージを醸し出す富豪で、離脱急進派の一部から熱狂的な支持を得ている。影響力を持つ反EU議員グループのトップで、離脱協定案が公表された翌日にメイ氏に不信任の書簡を送りつけた。

ただ、自身は首相に名乗りを挙げるつもりはないと述べている。

●ドミニク・ラーブ氏(44歳)

離脱協定案は保守党の公約に反するとして、EU離脱担当相を昨年辞任した。在任期間はわずか5カ月だった。閣僚としては新参者に属するが、2010年の当選以来、閣外相を歴任している。16年の国民投票では離脱を訴えた。空手の有段者。

今月、首相になりたいかとの問いに「あり得ないとは言わない」と答えている。

●サジード・ジャビド氏(48歳)

元バンカーで自由市場主義者。入閣後は大臣の座を歴任し、党内で支持を固めてきた。パキスタン系移民の第二世代。反EU派とみられていたが、16年の国民投票では残留支持に投票した。

●デービッド・デービス氏(69歳)

反EU派。16年7月に離脱担当相に指名されたが、メイ氏の政策に反発して昨年辞任した。

先月の雑誌記事でデービス氏は、最高経営責任者(CEO)に志願するような調子で保守党党首を引き受けるのなら、自身が党首になるだろうとした上で「党首はそんなものではない。そんな風に決まるものではない」と述べている。

●ペニー・モーダント氏(46歳)

国際開発相。現メイ内閣では数少なくなった離脱支持派に属する。離脱協定案の公表を受けて辞任するとみられていたが、辞任表明しなかった。

●アンドレア・レッドサム氏(55歳)

下院院内総務としてメイ内閣に残る離脱支持派。16年の保守党党首選ではメイ氏と決選投票となったが、出馬を取りやめ、メイ氏支持に回った。

●アンバー・ラッド氏(55歳)

内相を務めていたが、間違って違法移民と決め付けられたカリブ系住民の扱いを巡って内務省が批判にさらされ、昨年辞任した。

保守党内で親EU議員の支持を得られる可能性がある。しかし2017年の選挙では苦戦し、辛うじて議席を維持した。

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