EUと中国、首脳会談控え共同宣言の文言で対立=関係筋

[ブリュッセル 5日 ロイター] – 中国と欧州連合(EU)は9日に首脳会談を行うが、貿易や投資、人権問題を巡って対立し、共同宣言の文言で合意できていない。EUの複数の外交筋が5日明らかにした。

中国の李克強首相は9日にブリュッセルでEUのトゥスク大統領と会談する予定。EU首脳は先月、中国が欧州で戦略的に重要な産業を手中に収めるのではないかとの懸念から、首脳会談では中国政府に対してより強硬な態度で臨むことで合意した。

関係筋によると、中国側は市場開放や貿易規則改革への真剣な取り組みの約束などEUの要望に応じておらず、トゥスク大統領が現状での共同宣言を拒否するよう求めたという。

ロイターが入手したEUの共同宣言草案には、中国政府に投資に関する取り決めについて協議を完全に実施するよう義務付けることや、EU側が不公正と考える貿易障壁を撤廃するよう約束することなどが盛り込まれた。しかし中国側はこうした項目について削除や変更を求めたという。

EU当局者によると、英国やドイツ、フランスなどEUの外交筋は、中国側のこうした修正に基づいた共同宣言を支持できないとの表明した。

EUの外交筋は「無意味な宣言を出すのではなく、中国とどう付き合っていきたいのを明確にしたい」と述べた。

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