情報当局がトランプ陣営に「スパイ行為」 米司法長官発言に批判

[ワシントン 10日 ロイター] – バー米司法長官は10日に開かれた議会の公聴会で、米情報当局がトランプ大統領の2016年大統領選での活動について違法な「スパイ行為」を働かなかったかどうかについて調査する考えを示した。野党・民主党の議員らはこの発言は陰謀説を流布していると批判した。

米大統領選へのロシア介入疑惑に関する連邦当局の捜査については、トランプ大統領や大統領に近い共和党の議員らもバー長官と同様の見解を示してきた。捜査を率いたモラー特別検察官や法執行および情報収集の各政府機関の評判を落とす狙いがあるとみられる。

バー長官は上院歳出委員会の小委員会で行われた公聴会で、ロシア疑惑捜査で米情報機関がどのように振る舞ったかについてさらに調査する必要性を感じていると述べ、「選挙陣営へのスパイ行為は大問題だからだ」と説明。

民主党議員にスパイ行為があったと述べているのか問われると「スパイ行為はあったと思う」と回答。「問題は、十分な根拠があったかどうかで、十分な根拠はなかったと述べているわけではない」と語った。

別の民主党議員が「スパイ行為」という言葉は「不必要に扇動的」だと指摘すると、バー氏は「権限を越えた監視がなかったことを確認したい」と言い直した。

同氏は、16年大統領選でトランプ陣営を対象にした情報収集活動を全て調査すると表明。連邦捜査局(FBI)に的を絞ったものではないと付け加えた。

バー氏はまた、議員らの厳しい追及に対し、不正の証拠はないと認めた。

上院民主党のシューマー院内総務はツイッターへの投稿で、バー氏は発言を撤回すべきだと主張。「陰謀説の流布は司法長官という職の品位を落とす行為」と批判した。

トランプ大統領は先に、ロシア疑惑捜査は「クーデター未遂」、「国家への反逆」と呼んで批判をさらに強めた。大統領は記者団に対し「捜査は違法に始まった」と述べ、「すべてが不正だった」とした。

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