米国務長官、20年大統領選介入に警告 ロシア外相との会談で

[ソチ/モスクワ 14日 ロイター] – 米国のポンペオ国務長官は14日、ロシアのラブロフ外相に対し、米政府は2020年の米大統領選挙へのロシアの介入を容認しないと伝えた上で、介入すればすでに冷え込んでいる米ロ関係に深刻な悪影響を及ぼすと述べた。

ポンペオ氏は「ラブロフ外相に米選挙への介入は容認できないと明確に伝えた。2020年の大統領選挙にロシアが関与した場合、米ロ関係はこれまで以上に悪化するだろう」と述べた。

もっとも両高官は冷え込んだ米ロ関係を改善させたいとの見方で一致したという。6月に日本で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせた米ロ首脳会談の開催については確証が得られなかったとした。

選挙への介入問題のほか、両高官はベネズエラに関しても協議。ラブロフ氏は米政府がマドゥロ大統領をおとしめようとしていると非難する一方、ポンペオ氏はマドゥロ大統領は大規模な抗議と経済危機に直面しており、辞任すべきとの見方を示した。

ウクライナ問題を巡っては、ポンペオ氏はラブロフ氏に対し、米国はロシア政府による2014年のクリミア併合を認めず、ロシアへの経済制裁を維持すると指摘。ロシアはウクライナの次期大統領と協力し、ウクライナ東部に平和をもたらすべきとし、ロシア政府が拿捕(だほ)したウクライナ艦船の船員の解放を望むとした。

またロシア当局にスパイ容疑で逮捕された元海兵隊員ポール・ウィラン氏と不正行為で起訴された投資家マイケル・カルベイ氏について触れ、ロシアでの米国人の拘留についてラブロフ氏に抗議した。

ラブロフ氏は記者団に対し、イランの核開発計画とテヘランに対する国際社会の取り組みついて米ロの意見が食い違っていると指摘。一方、ポンペオ氏は米国はシリアのイドリブ県での交戦拡大について懸念を強めていると述べた。

プーチン大統領はポンペオ氏との会談後、ロシアが米選挙に介入したことは一度もないとし、モラー特別検察官の捜査報告書に共謀した証拠は見られないと指摘。米ロ関係の改善を望むとした。

*内容を追加しました。

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