ベトナムには1人の偉人がいます。彼の名はトン・フォック・フック。
かつて妻の産前検診に付き添ったトンさんは、多くの妊婦が病院を訪れるのは、検診ではなく、中絶のためだと知りました。生を授かることができない小さな命に、トンさんは心を痛めました…
何とか助けることはできないか。そこで病院に話を持ちかけました。
「すでに人間の形になった中絶胎児を引き取りたいんです」。その執念に心打たれて病院は同意しました。
建設作業員だった彼は、全財産をはたいて山のふもとにある空き地を購入しました。中絶で亡くなった胎児の墓地にするためです。
はじめ、妻は猛反対しましたが彼は計画を諦めませんでした。かわいそうな小さな命が少しでも救われるよう願うばかりでした。
トンさんの志は供養するだけではなく中絶されないよう小さな命を救うことです。
この墓地は追悼と記念のためだけに作ったわけではありません。
中絶を迷っている妊婦にゆっくり考えてもらう場所にしてほしい。中絶を思いとどまらせたいというのが一番の目的です。
そのうち、彼のもとにお腹の子を助けてほしいとやってくる未婚の母や妊婦が増えました。
トンさんは墓地の管理だけでなく、多くの孤児を育てています。
女性たちがわが子を引き取る経済力がつくまで代わりに面倒を見ています。母親が引き取らない子には里親を探してあげます。
彼にとって子どもたちは血を分けたわが子同然です。
たとえ自分の生活がどんなに苦しくなってもやめなかったのです。経済的事情による中絶をやめさせたいのです。
80数人の子どもたちにとってトンさんは一番大好きな父親です。
彼は多くの人に影響を与えました。ここ数年、現地では個人運営の児童養護施設が増えて、家なき子たちを収容しています。
「全ての命を救いたいです」とトンさんは話します。
1人を助けるだけならまだしも、100人あまりを助けてきました。
1人の胎児を埋葬するのは容易いですが、彼は1万人を埋葬してきました。
1日だけ続けるのは容易いことですが、彼は15年間も続けてきました。
トンさんの無私による行動は亡くなった生命に尊厳を、生きている生命にチャンスを与えています。
(エポック・メディア・グループ新唐人より転載)
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