NATOとロシア、INF廃棄条約存続で進展得られず 8月2日失効迫る

[ブリュッセル 5日 ロイター] – 北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は5日、ロシアとの政治対話枠組みである「NATO・ロシア理事会」で中距離核戦力(INF)廃棄条約の存続に向け協議を行ったものの、大きな進展は得られなかったことを明らかにした。

1987年に締結されたINF廃棄条約についてトランプ米政権は今年2月、破棄すると表明。破棄通告は2月2日付で、ロシアが是正しなければ同条約は通告から6カ月後の8月2日に失効する。

ストルテンベルグ事務総長は非公開で行われたNATO・ロシア理事会後に記者団に対し「打開は得られなかった」とし、解決の確率は「日に日に低下している」と述べた。ただ、地上発射型巡航ミサイル「SSC─8」の廃棄をロシアに説得することについてNATOはまだ断念していないと語った。

INF廃棄条約は射程距離が500─5500キロ(300─3400マイル)の地上発射型ミサイルの開発・配備を禁じている。西側諸国はロシアがこうした射程距離のミサイルを開発した場合、極めて短い事前通告で欧州に対する核攻撃が可能になるとして警戒している。

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