ニューヨークのアッパー・ウエスト・サイド地区で、ある夜に、2人の男が店に入って来てしばらく談笑していた。1人がバーテンダーに身の内を明かしたが、請求書に残された証拠を見るまでは、彼女は信じなかった。
ガイヤーズ・バーで働くバーテンダーのケイトリン・ケイヒルは、2人の男の様子を詳しく話してくれた。
「あの日はお客さんが少なくて静かな夜だったわ。しばらくただ喋っていたの」。彼女は客の1人が元ペイパルの幹部ジャック・セルビーだと知った。すると、彼は思いもよらぬことを尋ねてきた。
「彼は降って湧いたように「チップ・フォー・イエス」のことを話して、それを知っているか私に聞いてきたの」ケイヒルは話した。「私は『ええ』と言うと、『あれは僕だよ』って言うの、初めは冗談かと思ったわ」
「チップ・フォー・イエス」は2013~2015年頃に全米で巻き起こった親切行為の活動で、匿名の食事客が豪華なチップを接客係に渡し、親切行為をチップスフォージーザスというインスタグラムのページに投稿するというものだ。この活動が今、帰ってきたようだ。
ケイヒルが請求書を見ると、セルビーが冗談を言っていた訳ではないことがわかった。何と100ドルの請求に対し5,000ドルのチップが加えてあり、上には「ただいま!」と書き添えてあったのだ。
「領収書を見たら、彼は5,000ドルのチップをくれたのよ。」
ケイヒルにとってこれ以前の「チップ・フォー・イエス」は2,000ドルで、約1年前にあった。
「私はちょっとあっけに取られて、『気は確か?』って聞いたわ。もしかしたら彼は楽しく過ごせて、気前が良くなったのかも。」
サンフランシコ・マガジンの報告によると、親切行為活動の影にいる人間は1人だけではなく、実際のところ約10人が関わっているらしい。その主役は匿名を好み、「チップ・フォー・イエス」が必ずしもキリスト教徒である必要はなく、なぜこの活動を始めたのかサンフランシコ・マガジンに語った。
「単に人助けをしたいだけだよ。お返しをするのは難しいことじゃない。」
Big thanks to Julie! Happy New Years! #tipsforjesus #2017 #godbless #thumbsup
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「素晴らしいサービスに納得したら、言い訳抜きに誰だって寛大なチップに値する。」
「それはパイをつまみ食いすることじゃない。パイをもっと大きくすることさ。」
彼は1.90ドルのコーヒーを飲みながら言った。「かなり単純なことさ。高くつくけどね。」
(日本大紀元ウェブ編集部)
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