深海ビデオが捉えた1トン超えのサメ 接近映像

7月29日、通常1トン以上にある深海ザメの珍しい接近映像が、調査の際に捉えられました。

調査を主導したオーシャンX( OceanX)は、フロリダ州立大学(FSU)のディーン・グラブス氏が率いる研究者チームを立ち上げました。調査目的はバハマ諸島のサメ1頭に発信機を取り付けることで、海底からカグラザメが上がってきたとき、研究者たちは唖然としました。潜水艇内部を映したビデオからは「すごい…どれだけ横幅があるんだ」とつぶやく研究者の声が聞き取れます。

サメは砂をいたるところに巻き上げながら泳いでいました。

「こりゃ化け物だな。大きいメスだ…確実にこの潜水艇の長さを超している」と他の研究者も声を上げています。

巨大ザメは潜水艇ナディールに近づいてきて目を開くと、発信機の取り付けに使う銃に噛み付きました。ある研究者は「このサメには打てない。銃を食べる気だ」と呟きました。

ニューズウィークによると、カグラザメは1億8000年前から存在しており、現存する世界最古のサメの一種と考えられています。他種のサメが5対の鰓裂しか持たないのに対し、カグラザメはそれを6対有している点や、ほとんどの場合水深約200~1000メートル付近に生息している点から識別が可能です。

オーシャンXは、「この古代種は恐竜よりも昔から存在しており、深海生態系での主要な捕食者」とブログに投稿しています。

ニューズウィークによると、調査チームはこのカグラザメに発信機をつけることで、未知の部分が多いカグラザメの生態や行動の解明につながることを期待しています。オーシャンXは、「エルーセラ岬研究所(Cape Eleuthera Institute)の協力を得て、今週末、潜水艇から初めて動物に発信機を取り付けるという歴史的快挙を達成しました。」

「この調査の主任科学者であるFUS海洋研究所のディーン・グラブス教授は、珍しいサメの一種に衛星発信機を取り付けることに初めて成功しました。これまでは、生物を海面まで引き上げて取り付ける方法しかありませんでした」と述べました。

調査チームによると、サメに発信機を取り付けるのに適した範囲は通常iPad程度で、「この方法で発信機の取り付けを行うのは生理学的に困難」であるため、このカグラザメが回復するには多少の時間を要するものと思われます。

オーシャンX は、「通常、サメは発信機を取り付けた後、自然な行動を取り戻すのに時間がかかるため、発信機をつけた後のカグラザメから得られるデータは正確とは言えない」とも説明しています。

帰還の際、調査チームは英雄のような歓迎を受け、管制センターからの水中映像を見ながら打ち上げを行いました。「これは色々な意味で歴史的なことです。この方法がカグラザメにも通用することが証明された今、巨大深海生物の世界を解明し、かれらの行動や生態について更に重要な実態を掴むことができるでしょう」とオーシャンXは述べています。

(大紀元日本ウェブ編集部)

関連記事
内なる不満を見つめ、愛を与える方法を通じて、心の癒しと新たな可能性を見出すヒントをご紹介します。
最新研究が脳損傷患者の意識の可能性を示し、医療や家族の対応に新たな光を当てます。
GoogleのAI「Gemini」が大学院生に不適切な発言をし、AI技術のリスクが改めて問題視された。企業の責任が問われる中、AIの安全性や倫理が注目されている。類似の事例も増え、技術の普及とリスクのバランスが課題となっている
健康な心血管を保つための食事、指圧、運動の実践方法を解説。心臓病予防のヒントが満載です!
専門医が語る乳がんリスクの主な要因と予防のポイントを解説。生活習慣の見直しで健康を守りましょう。