カリブ海での休暇中にカップルが無数の鉤虫に襲われた

2018年1月に、カナダ人のエディーとケイティというカップルは、休暇でドミニカ共和国を訪れることにしました。カリブ海の浜辺で、夫婦は常夏の太陽を浴びながら、裸足で黄金色の砂浜を歩き回っていました。

Suyeon Kim/Pixabay

すると突然、非常に強い痒みを足に感じるようになり、当初彼らはそれが刺されによるものであると思い、特に気にしていませんでしたが、帰国後に事態は一変しました。

まずエディーの足は腫れ始め、その後痛みを伴う水疱ができ、痛みがあまりにひどかったため、靴やソックスを履くことはおろか、歩くことすらままならない状態になってしまったのです。エディーは直ぐに医師の元に行きましたが、医師は原因を判断することができませんでした。その後、ケイティにも同じ症状が見られるようになります。

(センシティブな画像注意)

週明けに、エディーはケイティと一緒に別の医師の元を訪ねました。幸いにも、この医師は原因を突きとめることができたのです。なぜかというと、10年前にタイから帰国した旅行者に同じ症状が発症したのを見ていたからです。

原因は足の中に入り込んでいた多数の鉤虫(こうちゅう)でした。エディーとケイティは皮膚幼虫移行症という症状にかかっていたのです。恐らくドミニカ共和国の浜辺を裸足で散歩していた時に、鉤虫が入り込んだのでしょう。

皮膚幼虫移行症は一般的に猫や犬において見られます。感染した犬や猫が排泄をした砂または土壌に鉤虫は住み着きます。専門家によると、鉤虫の卵は便から出た後に砂や土壌中で孵化します。その後何も気が付かない人間がその上を歩いて感染するというわけです。

鉤虫が入り込むと、足は非常に痒くなり、炎症が起こります。またヘビ状の赤い、曲がりくねった線が皮膚上に現れるため、鉤虫がどこを移動しているのかを見ることもできます。

Shutterstock / Designua

この症状を治すには、イベルメクチンという薬品が必要でしたが、カナダでは販売されていませんでした。医師が保健省にかけあったものの、許可が下りなかったため、エディーの母親は米国のデトロイト州まで出向いてイベルメクチンを購入しました。2日間この薬剤を飲んだ後、二人は少しずつ回復に至りました。医師によると、皮膚幼虫移行症の原因となる鉤虫は、人体では生きていけないため、数週間で死滅するそうです。

このカップルは自分たちの悲惨な体験を活かして、砂浜を裸足で歩く際には十分気を付けるようにとFacebook上で旅行者に呼びかけるようになりました。

(大紀元日本ウェブ編集部)