米ウィスコンシン州で農業ローン延滞率が上昇、大統領選の激戦州

[ワシントン/シカゴ 5日 ロイター] – 2020年の米大統領選でトランプ氏の再選を左右する可能性のあるウィスコンシン州で、地域銀行における農業ローン延滞率が6月に記録的高水準に達したことが分かった。中国などとの貿易摩擦が農家に痛手となっている可能性がある。

米連邦預金保険公社(FDIC)のデータをロイターが分析したところによると、ウィスコンシン州の地域銀行では返済期限を大幅に過ぎた農業ローンの比率が6月末時点で2.9%と、比較可能な統計が存在する2001年以降で最も高くなった。

深刻な延滞状態にある農業ローンは全米で増加しているが、ウィスコンシン州の地域銀行ではトランプ大統領就任後に延滞率が2倍以上に上昇し、生産量ベースで上位10位の農業州の中で最高となっている。

FDICの保証対象になっている全米の銀行では、90日以上延滞しているか、または返済が見込まれないため利子が発生しなくなった農業ローンの比率は6月末時点で1.5%だった。これは2012年以来の高水準だが、それでもウィスコンシン州の地域銀行に限定した場合と比べると半分程度にとどまっている。

ウィスコンシンは2016年の大統領選でトランプ氏の勝利に重要な役割を果たし、来年の選挙でも激戦州になるとみられている。

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