米議会の米中経済安全保障調査委員会(USCC)が行った公聴会で発言する経済学者のアンドリュー・ポーク氏(李辰/大紀元)

米のコア技術供給中止、専門家「中国経済が壊滅的な打撃受ける」

米議会の米中経済安全保障調査委員会(USCC)が4日行った公聴会で、経済学者のアンドリュー・ポーク(Andrew Polk)氏は、米政府が華為技術(ファーウェイ)などの中国企業へのコア技術の供給を断ち切れば、中国経済は「壊滅的な打撃」を受けるとの見解を示した。

ポーク氏は中国北京にある調査会社、策緯諮詢公司(Trivium)の共同創業者。同氏は、中国製造業は米国など欧米各国の先端技術に過剰に依存していると指摘した。

「中国の半導体などは今後、少なくとも5~10年間は外国からの輸入に頼らなければならない」という。

米政府がファーウェイや中興通訊(ZTE)などを禁輸措置の対象に指定したことで、「中国当局が目指す経済の長期的な発展に、重大かつ壊滅的な影響を与える」

ファーウェイの任正非・最高経営責任者(CEO)は8月下旬、社内文書で「会社は存亡の危機にある」との認識を示した。同氏は6月にも、米の禁輸措置によって、「2019年と2020年の売上高が当初の見通しより約300億ドル(約3兆2217億円)減少する」とした。

ファーウェイ傘下の半導体メーカー、ハイシリコン(HiSilicon)は、ファーウェイ製スマホに必要なシステム・オン・チップ(SoC)を設計している。しかし、英半導体設計大手アーム(ARM)のライセンスがなければ、ハイシリコンはSoCやプロセッサなどを設計できない。アームは5月、「米国原産の技術」が含まれているとして、トランプ米政権の禁輸措置に従い、ファーウェイとの取引を中止した。

米シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)は昨年発表した調査報告書で、米企業からの技術供給を得られなければ、中国のファーウェイやZTEなどは次世代通信規格(5G)の製品を生産できなくなるとの見方を示した。中国当局は、米国との5G覇権争いで勝つために、ファーウェイなどの国内企業を支援してきた。

ポーク氏は公聴会で、「習近平指導部は、ハイテク産業の『技術的自給自足』への願望と、中国が『ハイテク超大国』になることを望んでいる」と話した。

米紙ニューヨーク・タイムズ中国語電子版は昨年5月の報道で、習政権は、先進国の最先端技術と比較して、中国が後れをとっていることに強く不安を感じていると指摘した。同記事は、習近平氏が2013年7月と8月に行った演説の一部を引用した。習氏は「近代以降、西側諸国が世界の強国になれた主因の一つに先端技術を掌握したことが挙げられる。真の重要な技術は購入してきたものではない」などと話し、今後、ハイテク分野において西側諸国を「非対称」な戦略で追い抜くとした。

(翻訳編集・張哲)

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