中国インターネット検索エンジン大手の百度は9月30日、パソコン向けのブラウザ・サービスを停止すると発表した(AFP/Getty Images)

「中国のグーグル」百度、ブラウザ・サービスを停止

中国のグーグル」と呼ばれる中国インターネット検索エンジン大手、百度(バイドゥ)のブラウザ部門は9月30日、同ウェブサイトで、パソコン向けのブラウザ・サービスを停止すると発表した。同社の収益が低迷するなか、この半年で5人の上層幹部が退社した。

百度は2011年にパソコン向けのブラウザ・サービスを開始した。今年5月、同社はブラウザの最新バージョンへのアップデートを停止すると公表した。9月30日の発表では、百度はユーザーに対して、早めに他社のブラウザを利用するよう促した。

中国複数のメディアによると、百度の王路・副総裁(53)が9月30日付で退社したが、百度側はコメントを差し控えている。今年に入ってから、同社の向海龍・上級副総裁、呉海鋒・副総裁などが相次いで退任したことに中国メディアが注目した。

同社が5月16日に発表した1~3月期決算は、3億2700万元(約50億円)の純損失となった。2005年の米国市場上場以来の初めての赤字計上だ。人工知能技術などにかかるコストの高騰、検索エンジンによる広告収益の減少、中国経済の減速が主因だという。

また、10月1日の米ナスダック市場において、同社株価終値は1株=102ドルを付けた。株価相場は、今年1月3日の1株=162.25ドルから約37%下落した。

中国メディア「東方財富網」9月28日付などによると、百度は現在、保有する中国のオンライン旅行会社「携程網(シートリップ)」の株式のうち、3分の1を売却する計画だ。株式売却で、同社は70億元(約1056億円)の資金を調達できる。国内メディアは、百度が資金難に直面していると指摘した。

2016年に中国のある大学生が、がん治療のため、百度で検索し医療機関の情報を収集した。しかし、検索結果を信じて治療を受けた後、大学生は亡くなった。これをきっかけに、百度の不正広告表示の問題が浮かび上がった。百度は、病院側から高い広告料を受け取り、病院の治療実績について虚偽情報を宣伝した。これ以降、中国市民の百度に対する不信感が一気に高まった。

(翻訳編集・張哲)

関連記事
旧正月は、家族の再会を祝って団欒し、新たな一年への希望を抱く時です。お父さんお母さん、おじいちゃんおばあちゃん、叔父叔母、離れて暮らす親戚に電話をかけて、「新年快楽!」「過年好!」と旧正月を祝います。
今年の旧正月は2月10日から。神々や先祖を敬い、伝統に基づき、家をきれいにして新しい服を着て、新年を祝います。日本では江戸時代まで太陰太陽暦を採用していましたが、明治政府がこれを廃止し、西暦のカレンダーになっています。今日、「明けましておめでとうございます」と言われても、ピンとこない人は多いかもしれませんが、沖縄や奄美大島の一部はいまも旧暦に基づいた祝い事が行われています。
英国の元外交官は、中海外赴任を終えて帰国した際、中国の役人から別れの贈り物としてもらったティーポットを落として壊してしまって、その中に盗聴装置が仕掛けられていることを発見した。
中共ウイルス(新型コロナ)の感染者が急増する中国では、地方政府は感染を封じ込めようと「閉鎖式管理」を相次いで実 […]
米AP通信によると、中国政府はこのほど、ロシアと友好関係にあるセルビアに防空システムをひそかに提供した。ロシア […]