中国北京、市内病院で新たな肺ペスト患者との情報 1例目が9月に発生
中国北京市の朝陽病院は11月12日、内モンゴル自治区から来た患者2人が感染力と致死性の高い肺ペストに感染したと発表した。14日、国内インターネット上では北京市の児童病院と宣武病院で新たな肺ペスト感染者が確認されたとの情報が広がった。北京市当局は情報を否定した。
14日、中国ソーシャルメディアと海外のツイッター上では、北京児童病院と宣武病院の建物内の数カ所のフロアが閉鎖されたとの書き込みがあった。
一人のネットユーザーが「朝、児童病院に行ったら、地下1階が閉鎖されていた。知り合いの眼科の先生は、肺ペストの感染が確認された患者がいたために封鎖されたと言った」と投稿。これに対して、別のネットユーザーは「児童病院の3階や血液検査用のフロアも消毒のため立ち入りを禁止された。警備員たちは皆、マスクを2枚重ねて付けていた。医者を一人も見かけなかった」とのコメントを書き込んだ。
北京市医療当局である衛生健康委員会は同日、緊急声明を発表し、「市内で新たな肺ペスト感染例は確認されていない」とした。
ネットユーザーは「否定するな!私は今、児童病院から出てきたばかりだ」と当局に強い不信感をあらわにした。
米ラジオ・フリー・アジア(RFA)13日付によると、中国当局と地方政府は内モンゴル自治区の住民らに肺ペストの発生についての情報を伝えておらず、注意喚起も行っていない。
いっぽう、中国甘粛省疫病予防センターは10月10日、同省酒泉市アクサイ・カザフ族自治県で9月27日に肺ぺストと疑われる感染事例1件が報告されたと公表した。同センターによると、9月29日、同患者は敗血症型ペストと診断され、その後死亡した。当局は同地域での感染をすでに撲滅したと主張した。
肺ペストは14世紀に欧州で大流行した。当時、欧州総人口の3分の1にあたる約2500万人がこの疫病で亡くなった。
1900~49年まで中国各地でも肺ペストがはやり、推計102万8000人が死亡した。
(翻訳編集・張哲)