親は子供に「ウソをつくことは悪いこと」と教えるもの。だが、現実では、親は幼い子供にウソをつきながら日々の生活をこなしている。
カリフォルニア大学サンディエゴ校(アメリカ)のゲイル・ヘイマン(Gail Heyman)教授らの国際グループがアメリカと中国で行った最近の研究によると、大多数の親が子供に言うことを聞かせる手段としてウソをついていることがわかった。
子供の行動をコントロールするためにウソをついていた親の割合は、中国で98%、アメリカで84%に上った。中国ではウソをついてでも子供を親の言う通りにさせる傾向が強いとみられる。
「食べて寝ると牛になる」のような、きちんと食事をとるためのウソや、買い物のおねだりを振り切るための口実は、中国でもアメリカでも見られた。子供が外出先で帰りたがらないときに置き去りにするといって怖がらせる行為は、特に両国で共通して高く見られた。
どちらの国でも、子供の自信を育むためのウソや、抜けた乳歯を枕の下に置くと妖精が来てお金に変えるという「歯の妖精」の話など想像力をかきたてるような話は、よく使われている。
しかし、子供はウソを見抜くので注意すべきという警告も含まれている。これまでの研究によると、幼い子供は過去に誰が自分に対して正直だったかを覚えており、信頼すべき人を判断している。
お皿の野菜を全部食べさせるためにウソをつく必要があるのだろうか? ご褒美をあげて良い振る舞いを奨励する方が、正直であることに矛盾を生じさせないのではないだろうかと報告書は提案している。異なる状況でどのように「正直」を通せるか、いかに「正直」であることの価値を理解させながら子供を育んでいくかという課題への討論を刺激する研究報告だ。
(翻訳編集・緒川)
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。