中国古典芸術の復興を使命に掲げる神韻芸術団は、日本ツアーの最中だ。これまでに名古屋、広島、京都の三都市を巡回し、全て満席の高い人気を得てきた。舞台を通じて神韻が伝えるメッセージは、四つ目の都市・横浜でも観客の心に届いたようだ。
「董卓と呂布が出てきましたよね。あの辺もなんか非常に面白く見させていただきました」ダンサーたちの踊りだけでなく表情の豊かさにも目を引かれたという関東学院大学教授・小岩一郎さん。全然飽きることなく、2時間あまりの公演があっという間に過ぎた。
「古くから残るものを、変えちゃいけないものは変えちゃいけないということを、メッセージとして強く出されていると思うんですね。私もそう思います」
小岩さんはエレクトロニクスが専門だ。スマホの普及など技術の進歩により急速に社会が変わりゆく中、神韻のパフォーマンスを鑑賞して、失ってはいけないものがたくさんあると感じたという。
神韻には、中国各王朝時代の雄大な伝統文化を表した演目もあれば、修行のなかアクシデントに遭遇する小坊主の様子を描く笑劇もある。舞踊、音楽、衣装とアナログな表現からデジタル技術を駆使した3D背景を融合させた神韻の舞台に「大変面白かった。毎年(演目が)変わるのなら、これから毎年来たい」と述べた。
「男性も女性も素晴らしくてただただ感動」ソシアルダンスの教室をしている金岡八重子さんは、中国古典舞踊、音楽、またハイテクノロジーのものでありながら、舞台に自然に溶け込んでいた3DのCG(3次元コンピューターグラフィックス)の背景など神韻の舞台にすっかり魅せられ、記者の質問にも「素晴らしい」という言葉を繰り返した。
中国古来の楽器・二胡の演奏に心を打たれたという金岡さん「奥が深いものですね」と感慨深げに語った。
フリーアナウンサーの三上和歌香さんは、「息を呑む美しさで鳥肌がぱぁっと立って、涙があふれました」と述べた。
舞台芸術が好きで日頃から舞台をよく見に行くという三上さんは今回、中国古典舞踊をはじめて鑑賞した。ダンサーのレベルの高さに驚かされたという。また、オーケストラの音楽の伴奏にも触れ、舞台を包み込むような力がある演奏と踊りの共演が素晴らしいと語った。
「あふれ出るような、ものすごいエネルギーを感じました。ダンサーのあの細さから考えられない。感動しました」
(文/大道修)
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