豪、中国武漢からの渡航者に検疫実施へ 新型肺炎対策

[シドニー 21日 ロイター] – 豪政府は、新型コロナウイルスによるとみられる肺炎の感染が広がる中国湖北省武漢市からの渡航者全員の検疫を開始する方針を明らかにした。ただ、国内の感染を防ぐのは難しいとの見方も示した。

中国当局は、国内200人以上の発症を確認。武漢市では4人目の死者が出ている。中国以外ではタイ、日本、韓国で発症者が確認されている。

豪政府の首席医務官、ブレンダン・マーフィー氏はキャンベラで記者団に、週3回の武漢発シドニー着の便で到着する渡航者の検疫を23日に開始すると述べた。ただ、「完全に国内の感染を防ぐことはできない。潜伏期間は恐らく1週間だ」と述べた。

中国から豪州への訪問者数は昨年、100万人強に上っており、国別で最大だった。

豪州には毎週、中国から約160の便が到着しており、マーフィー氏は武漢以外の場所からも中国人旅行客が訪れる可能性はあると認めた。

今週始まる旧正月の大型連休中には、多数の中国人が国内外に旅行するとみられている。

マーフィー氏は、感染リスクは高まっているが、豪州では渡航者に対するサーモグラフィーによる体温検査は行わないと述べた。

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