約45年前、リビングのソファで寝ていたリチャードのもとに母親が死にそうだとやってきたところ、激しい心臓発作に苦しみ、彼の方を見たまま頭から倒れ亡くなりました。15歳の時に義理の父を、17歳の時にアルコール依存症だった実の父を亡くしており、現在は退職し72歳の彼は大人になってからもずっと、何をしていてもいつも「死」が頭の中にありました。
「死への恐怖の克服」の著者であるケルビン・チン氏によると、文化や宗教などに関係なく誰もが死を恐れているとのこと。でももし死が単に不幸なものではないとしたらどうでしょうか?
リチャードはグーグルでチン氏のこの考えを知り衝撃を受けます。彼との簡単な瞑想を織り交ぜた電話相談でこの恐怖を抑えることが出来ました。チン氏の瞑想はこれまでかなりのお金をかけ、効果のなかった精神科医や薬による治療よりもずっと効果があったと言います。
死の恐怖についての著書の作者である介護士のドナ・オーサーズは、死は平和的なプロセスであり、恐ろしいものではないと言います。
自身もそれを十分に理解するには何年も苦労しました。彼女は2歳の時に父親を第二次世界大戦で亡くし、その後母親も5歳の誕生日に亡くなりました。そして15歳の時に祖父が自殺。
死が必然であることを受け入れられるようになったのは彼女の祖母がきっかけでした。ガンを患っていた祖母を自宅で看病していた時のこと。祖母は孫娘が自分の死を恐れていることを感じ取り、彼女の手を取りこう言いました。「死は人生の一部よ。あなたもいつしか私と同じように死を迎えるの。恐れては駄目よ」その一言でが全てが変わったのです。
彼女によると、信仰があり何かを信じている人は恐怖心なく死に直面できるとのこと。またチン氏によると、他の世代に比べミレニアル世代が最も死を恐れているとのこと。コミュニケーションの速さが負担となり死への恐怖に繋がるとのことで、これはSNSのマイナス面であると言います。
シェルドン・ソロモン心理学教授は、愛こそ死への恐怖を最も軽減できるものであると話します。
ある祖母は亡くなる前、自分が死ぬことに取り乱しており、医師も薬も頼りになりませんでした。その時ちょうど孫娘がおばあちゃんが作るカップケーキのレシピを知りたいと電話をかけてきました。5分にも満たない電話で、彼女は自分を愛する家族の記憶の中に自分がこれからも生き続けることを悟ったのです。
(大紀元日本ウェブ編集部)
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