スペイン、新型コロナ感染4万人・死者2700人 スケート場が遺体安置所に

[マドリード 24日 ロイター] – スペイン保健当局は24日、新型コロナウイルスの新規感染者が一晩で約6600人増加したと発表した。1日としては国内で初の感染が確認されてから最多の増加となり、累計では約4万人に達した。

死者も500人増加し計2696人と、欧州ではイタリアに次いで最も深刻な状況となっている。

新型コロナによる死者が増加する中、首都マドリード市は23日、同市のショッピングモール「パラシオ・デ・イエロ」内にあるスケート場を遺体安置所に転用することを決定した。

また、国内感染者の約14%が医療従事者となっており、防護具が十分に行き渡っていない状況が浮き彫りとなった。

保健緊急警報調整局のフェルナンド・シモン局長は医療現場での防護具の不足に加え、早い段階で小規模な集団感染が医療施設で起きたことが医療従事者の高い感染率につながったと分析した。

局長は、一般市民の間で感染拡大がピークを越えた後も、集中治療室(ICU)の病床の逼迫状態は続くと予想した。

看護師団体SATSEは、マドリードの病院は「崩壊寸前」の状況にあると警告し、早急な支援を求めた。マドリードの医師団体AMYTSは、地元保健当局が医療機関に防護服、マスク、ゴーグルを提供するよう訴訟を提起したと発表した。

スペイン国内の感染者はこれまで、マドリードが約半数を占めていたが、24日公表の集計ではマドリードが全体に占める割合は3分の1弱となっており、全国に感染が拡大している可能性がある。

スペイン政府は一方、新型コロナ危機を背景に中小企業や自営業者が返済できない銀行融資の約80%を対象に政府の保証を付ける支援策を承認。第1弾として200億ユーロの融資保証枠を設けた。

信用保証は、政府が新型コロナ対策として前週に発表した、総額2000億ユーロの企業・労働者支援策の一環。

*情報を更新しました。

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