英、離脱移行期間を延長すべき 新型コロナで交渉停滞=EU高官

[ブリュッセル 30日 ロイター] – 欧州連合(EU)当局者は30日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)により英EU離脱交渉が停滞しているため、英国は今年末までの離脱後の移行期間を延長すべきとの見方を示した。

欧州議会外務委員会のデイビット・マカリスター委員長は「新型コロナのパンデミックにより、ただでさえ非常に野心的だった日程が困難になっている」と指摘。「EUは移行期間の延長について常に門戸を開いてきた。ボールが英裁判所にあるのは今や明らかだ。現時点で英政府は延長を絶えず否定しているが、現状を考慮すると英政府は慎重に再検討すべきだろう」と述べた。

EU外交筋はこの日、5─6月に英国からの延長要請を予想していると述べた。

一方、ジョンソン英首相の報道官は同日、移行期間の今年12月31日までという期限は「法律で定められている」と改めて指摘。「法的文書は共有されており、英国とEU委員会との非公式協議でも取り上げられている」と述べた。

EU関係者によると、新たな貿易協定の草案を交換した3月半ば以降、正式な交渉は行われていない。ただ文書による意見交換は行われているという。

移行期間を1年または2年延長するためには6月末までに双方の合意が必要となる。英国では移行期間の延長を禁止する法案が議会によって可決されている。

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