米情報当局、新型コロナ巡り中国・北朝鮮・ロシアの実態把握に苦戦

[ワシントン 30日 ロイター] – 米情報当局は世界で新型コロナウイルス感染の実態把握に奔走しているが、事情に詳しい米政府筋5人によると、中国、ロシア、北朝鮮では自らの情報収集力に限界を感じているという。

2人の関係筋によると、イランについても新型コロナ感染の全容を把握するのは困難な状況だ。ただ、支配階級および一般市民の感染例や死者に関する情報は国営メディアやソーシャルメディアで明らかになりつつある。

政府が厳しい情報統制を敷き、平時でも国の指導部に関する情報収集が難しいこれら4国を、米情報当局は「ハードターゲット」と認識してきた。それでもなお、専門家は、同4国の感染状況が正確に把握できれば、新型コロナの社会や経済への影響を抑える国際的な取り組みを後押しすることになると指摘する。

2013─17年に米海外災害援助室の責任者を務め、エボラ対策にも関与したジェレミー・コニンディック氏(世界開発センター在籍)は「世界の感染多発地域がどこなのか、どの地域で感染が増えつつあるかを、可能な限り正確に、リアルタイムで把握したいとわれわれは考えている」と説明した。

北朝鮮は国内に感染例はないと主張しつつも、国際援助機関にマスクや検査キットを提供するよう要請している。

ある米政府筋は北朝鮮国内の感染の規模については全く分からないと語った。

ロシアでは、6日連続で1日の感染者増加数が最多を記録しており、当局は全土の封鎖を検討している。ロシアは14カ国が隣接し、貿易や旅行のハブでもあるため、感染状況の全容把握は重要性が高い。

ポンペオ米国務長官は前週、ロシアとイランについて正確な情報が不足していることを示唆し、中国は偽情報を拡散していると批判した。

中国については、新たな国内感染が出ていないとの最近の報告について、米国は「一部正しい」と考えている(関係筋)もようだが、中国当局が新型コロナにうまく対応できているかについて、米情報当局はなお懐疑的だという。

コニンディック氏は、中国政府は感染拡大が始まった当初、その深刻さを隠したが、現在は数字を操作している感じはないとの見解を示した。「(感染が)急増し、迅速にそれに歯止めをかけたという意味では、中国は最も成功した国だといえる」としたうえで、「中国の感染者数が本当ならば、中国のアプローチを理解し、適合させることが非常に重要」とした。

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