G20エネルギー相会合、減産最終合意なく サウジ・メキシコ対立

[モスクワ/ロンドン/ドバイ 10日 ロイター] – 10日開催された20カ国・地域(G20)エネルギー相会合は、新型コロナウイルス危機を受けて急落した原油価格を支える大規模な減産で、最終合意に至らないまま終了した。トランプ米大統領の仲裁申し出にもかかわらず、サウジアラビアとメキシコの対立は解消しなかった。

石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどの非加盟国で構成する「OPECプラス」は9日、日量1000万バレルの減産を5月と6月に行うことで合意。サウジアラビアのアブドルアジズ・エネルギー相は、最終的な合意はメキシコが参加するかどうかにかかっているとの見解を示していた。

また、ロシアとOPECは、米国やカナダなど他の産油国にも5%の削減を求めていた。

しかし、メキシコが削減を表明したのはOPECプラスが求めた減産量(日量40万バレル)のわずか4分の1(同10万バレル)だった。

メキシコのロペスオブラドール大統領は10日、米国がメキシコの削減を支援するとトランプ大統領が申し出たとし、米国が肩代わりする減産規模が日量25万バレルになると明らかにした。トランプ氏は、米国がメキシコの「不足を補う」とし、メキシコが後日、米国に補償を行うと述べた。

それでもなお、最終的な合意をまとめるには不十分だった。

関係筋によると、サウジとメキシコは9日のOPECプラス会合に続き、10日のG20会合でも対立。

10日の協議終了後に発表されたG20声明は、減産や減産量には言及せず、「エネルギー市場の安定確保に向けた措置」への言及にとどまった。OPECプラス会合での減産合意の最終的な行方は、依然として不明だ。

ブルイエット米エネルギー長官は、G20会合で「供給過剰を削減するため、可能なあらゆる手段を活用するよう各国に求める」と語った。

同長官は、米国は経済状況を背景にした原油生産の自然減によって市場を支える方針だとした。

長官によると、米国の生産量は2020年末までに日量200万─300万バレル減少する可能性があるという。当局者らがこれまでに示していたよりも、短期間でより大幅な減産量となる。

一方、ロシア大統領府のペスコフ報道官は、米国の法律が米生産会社の価格カルテル参加を禁じていることに認識を示した上で、他国を含めた行動は「避けられない」と述べた。

トランプ氏とロシアのプーチン大統領は10日、エネルギー市場などに関して協議を行った。

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