スペイン、新型コロナ感染に安定化の兆し 規制緩和には不安の声も

[バルセロナ/マドリード 14日 ロイター] – スペイン政府は14日、新型コロナウイルスの新たな感染者が減少傾向にあるとの認識を示した。ただ、前日にロックダウン(都市封鎖)措置が一部緩和されたことを巡っては懸念の声も聞かれる。

スペインは13日、感染拡大による経済への影響を緩和するため、建設や製造など一部産業の業務再開を認めた。

しかし政府は14日、必要不可欠な場合を除く外出禁止規制は引き続き適用されると強調した。

グランデマルラスカ内相は、記者会見で「われわれはまだ外出が制限されている。それを忘れている人がいるようだ」と指摘。その上で「まだ道のりは長いが、われわれは新型ウイルスに打ち勝つための正しい軌道上にある」と語った。

首都マドリードに次いで2番目に新型コロナ感染による死者が多いカタルーニャ州のバルセロナでは警官が外出理由を記した書類をドライバーに求める様子が見られた。通勤する人は企業からの証明書の提示が求められる。

病院に勤務するモニカ・ピンゾンさんは、バルセロナの地下鉄駅で「まだ(職場への復帰は)早いと思う。きょうは非常に多くの人がいた」と不安を口にした。

スペインの新型コロナ感染者は17万人を超え、死者は1万8000人以上となっている。

14日の保健当局の報告では新たな感染者は3045人と3月18日以来の低水準となった。1日当たりの死者数も4月上旬のピークを大きく下回っている。ただ、14日には567人と再び増加した。

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