ロシアの燃料危機が深刻化 国民の不満高まる

2026/07/03 更新: 2026/07/03

ロシアの穀倉地帯では、農民らが作物を収穫できないのではないかと懸念している。ウクライナの無人機がロシアの製油所や石油貯蔵施設を攻撃したことで燃料危機が発生し、市民の日常生活に影響が広がっている。

2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻は、現在5年目に入っている。ウクライナ側がロシアのエネルギーインフラへの攻撃を強め、和平交渉に向けてロシア側に圧力をかける中、その被害により、石油資源が豊富なロシアは燃料供給の逼迫に直面している。多くの地域で制限措置が実施され、国民の不満も日増しに高まっている。

ロイター通信によると、こうした状況の下で、ロシア人が日々関心を寄せ、情報を交換しているのは、どのガソリンスタンドに燃料があるのか、どこの列が比較的短いのかということだ。燃料不足をめぐって人々のいら立ちも高まっており、SNS上の動画には、長時間の給油待ちにしびれを切らした運転手らが小競り合いを起こす様子も映っている

「2026年究極のぜいたく」と題された動画では、男性が携行缶を使ってゆっくりと芝刈り機にガソリンを注ぎながら、自嘲気味に「なんて金持ちなんだ。今、誰がこれを買えるというのか」と冗談を言っている。

一方、iPhones.ruはロシアの検索エンジンYandexのデータを引用し、6月21日時点で、ネット上の「燃料タンクからガソリンを抜く方法」という検索数が、1か月前の697件から9300件余りに急増したと指摘した。

ロイター通信の試算によると、一部地域では、ガソリンの小売価格が欧州で最も高い水準の一つにまで上昇している。

プーチン大統領 エネルギー不足を認める

ロシア国家統計局は7月1日、ロシアが支配するクリミア最大の都市セバストポリで、過去1週間だけでガソリン価格が30%急騰したと発表した。政府は、先週の全国平均のガソリン価格は1リットル当たり72.38ルーブルで維持されたとしているが、目撃者がロイター通信に明らかにしたところによると、深刻な不足に見舞われている一部地域では、一部のガソリンスタンドの価格が1リットル当たり2.42ドルに達している。

ウクライナ側の軍事行動の影響が拡大し続けている事実は、ロシア当局にとって気まずいものとなっている。2022年以降、ロシアはウクライナのエネルギーインフラをたびたび攻撃し、多くのウクライナ人が冬季に停電や暖房の停止に見舞われる事態を招いてきた。

ロシアは当初、燃料不足の問題を軽視し、局所的なボトルネックだとしていた。しかし、ロシアのプーチン大統領は6月28日、関連する問題の存在を認め、市場を安定させる措置を取ると約束した。プーチン氏は、農業部門への供給を維持することがとりわけ重要だとし「収穫作業がそれにかかっているためだ」と述べた。

SNS上の投稿は、現場の困難を映し出している。肥沃な黒土地帯の農民は、収穫に必要な燃料費を負担することが難しく苦しんでいる。別の投稿では、ある農民が携行缶への給油を拒否されたため、やむなく巨大なコンバインをそのまま一般の沿道ガソリンスタンドまで運転し、列に並ばせたと説明している。ガソリンスタンドは買いだめを防ぐため、配給制限を実施していたという。

問題は解決に向かっているのか

プーチン氏のエネルギー問題に関する主要責任者であるアレクサンドル・ノバク副首相は7月1日、関連する問題は解決に向かっていると述べた。ロイター通信は独占報道として、ロシアが海路を通じてインドからガソリンの輸入を開始し、カザフスタンも7月と8月にロシアへ5万トンのガソリンを供給することに同意したと伝えていた。

今週公表された世論調査では、燃料不足が先月深刻化する以前でさえ、ロシア人の経済状況に対する悲観的な見方は過去20年で最も高い水準に達していた。攻撃が続く中、長期的な燃料不足は、この戦争に対する国民の支持をさらに弱める可能性がある。

現在、一部地域では基礎的なサービスが削減されている。中国とモンゴルに接するザバイカリエ地方では、当局が一部のバス路線を取り消し、あるごみ回収会社も燃料の制限を理由に、4行政区でのサービスを停止した。

地元ニュースメディアChita.ruの記事の下には、100件以上の「いいね」を得たコメントとして、「もっと恐ろしいのは、食品や雑貨がどれほど高くなるかだ。すべての輸送は道路に頼っている」と書き込まれていた。

6月29日、南部の都市ロストフ・ナ・ドヌーのガソリンスタンドで列に並んでいたタチアナ・セディフさんはロイター通信に対し、ディーゼル車に乗っていてよかったと語った。

「ガソリンを入れる列はまったく常軌を逸している……歩いて出勤し始めるべきなのかもしれないと思い始めた」

最新の戦況

一方、前線の戦火はなお激しく広がっている。7月2日未明、ロシアはウクライナの首都キーウなどに対し、今年に入って最大規模の複合空襲を行った。ウクライナ空軍によると、ロシア軍は今回、74発のミサイルを発射し、最大496機の無人機を投入し、軍事施設とエネルギー網を集中的に爆撃した。現時点で、空襲によりキーウでは少なくとも20人が死亡、86人が負傷し、市内の複数の住宅ビルが崩壊し、広範囲で停電が発生した。

これに対し、ウクライナ軍は同日深夜、ロシア領内に対して複数回の反撃を実施した。ウクライナ側の無人機は、ロシアのニジニ・ノブゴロド州にある製油所兼工業施設への夜間攻撃に成功し、地元当局者は攻撃により1人が死亡したことを確認した。双方に死傷者を出す空襲の応酬は、このエネルギー危機と前線情勢をともに激化させている。

李岩
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