モロッコ スペイン領セウタへの入国試みた移民294人を拘束

2026/08/17 更新: 2026/08/17

モロッコの国営メディアによると、スペイン領の北アフリカ自治都市セウタへの越境を試みた移民少なくとも294人が15日、モロッコ警察に拘束された。移民らはサハラ以南のアフリカ諸国からモロッコに入ったとみられる。

モロッコ国営放送「メディ1テレビ」によると、SNS上で出所不明の「大規模な越境」を呼びかける投稿が拡散し、今回の越境が試みられた。警察当局は、違法な越境を煽動した疑いでモロッコ人61人も逮捕した。

国境付近の丘陵地帯では、数百人の警察官が集まった移民らの解散に当たった。

モロッコ当局は先月30日、7万2000人を超える移民が地中海を越えてセウタに流入する異例の事態を受け、国境都市フィンデクで警備を強化していた。当時もSNS上で「スペインが国境を開放した」とする情報が広がったことが大量流入の一因となった。

スペイン政府はその後、海上に浮体式の防護柵を設置するとともに、セウタに警察官500人以上を追加派遣。不法移民の流入阻止に乗り出した。

スペインのグランデマルラスカ内相は13日、「正常な状態をできるだけ早く取り戻し、7月30日のような事態が再び起きるのを防ぐため、必要な人員を引き続き配置する」と述べた。

セウタは北アフリカ沿岸に位置するスペインの自治都市で、スペインの飛び地である。モロッコと陸続きの国境を接している。

先月末の大量流入では、数千人が地中海に延びる国境フェンスを避けるように泳いでセウタを目指した。この越境をめぐってEU内でも緊張が高まり、イタリアが一時、スペインとのシェンゲン協定の適用を停止する事態にも発展した。

一方、約4.8キロに及ぶ海路を泳いで欧州側に渡ろうとした結果、少なくとも96人が死亡した。

グランデマルラスカ内相によれば、7月末にセウタへ入った移民の大半はすでに域外へ移動した。「7万2000人が不法にスペインへ入国し、すでに7万人が出たと合理的に判断している」と説明した。

ただ、セウタ市当局の推計では、なお少なくとも9000人の移民が市内に残っているという。大量流入後、店舗やスーパーマーケットが閉鎖し、収容施設も不足したため、移民の一部は路上や公園、海岸で寝泊まりする事態となった。

22歳の移民ドリス・サディクさんは、セウタにたどり着くため5時間泳いだと証言し、越境を試みる人々に「今は渡らないでほしい。苦しむだけだ」と強く警告した。

スペインのモニカ・ガルシア保健相は16日、「医療崩壊」が起きたとの見方を否定する一方、これまでに約5800人の移民が一次医療または病院での治療を受けたことを明らかにした。

米国ナッシュビル在住のエミー賞受賞ジャーナリスト。以前はニューヨーク・ポストやフォックス・ニュース・チャンネルで働き、ニューヨーク市ではオフ・ブロードウェイ・ミュージカルのシリーズも執筆した。
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