「次の移民の波」はサハラ砂漠以南のアフリカ 豪人口統計学者「今後数十年で存在感増す」

2026/08/25 更新: 2026/08/25

インドに続き、今後数十年間で世界の「移民の大きな波になる」のはサハラ砂漠以南のアフリカになる可能性がある。豪クイーンズランド大学環境学部の人口統計学者、オード・バーナード准教授が24日、豪議会の移民合同常任委員会で指摘した。

バーナード氏は24日、豪議会の移民合同常任委員会による「技能移民の価値」に関する調査で証言した。欧州や東アジアで人口減少が進む一方、世界的に移住を望む人の割合は「非常に、非常に高い」と説明。調査では、世界人口の約25〜30%が移住を希望していることが示されており、その需要は一貫して高いという。

バーナード氏は「将来の世界的な動向を考えると興味深いことが分かる。いくつかの国では人口が縮小しており、南欧や東欧、東アジアを中心に人口減少と高齢化が進む中、技能を持つ移民をめぐる競争は今後さらに激しくなる」と述べた。

その上で、人口動態の変化に伴い、「移民の巨大な波」も変わると指摘。「人口動態をみれば、2017年以降、中国に代わってインドが最大の移民出身国となった理由が分かる」と述べた。

さらに「今世紀の世界人口増加の約半分はサハラ砂漠以南のアフリカからもたらされる見通しだ」とし、「今後数十年で、オーストラリアへのビザ申請者の出身国も変わっていくだろう」と述べた。

地方に移住した技能労働者 7割が大都市避ける

調査では、技能を持つ移民を地方に定着させる上で、住宅価格の安さも重要な要因として議論された。

バーナード氏によると、住宅価格が低い地域ほど、地方に移住した移民が長期的に定着する傾向が強かったという。

地方に移住した移民がその地域にとどまる理由については、雇用や所得水準、教師や社会サービスの有無などが研究されている。一方、特に強い要因として浮かび上がったのは、住宅、雇用機会、他の移民がいることだった。

また、調査では、地方に移住した技能移民の約70%が、10年後もシドニー、メルボルン、ブリスベンの3大都市以外にとどまっていたことが判明した。ただ、同じ期間に「地方に定着している」とみなされる割合は約40%に低下しており、多くが別の地方都市などへ移動したことを示している。

豪政府が5月に公表した予算資料によると、2028年までに100万人を超える移民がオーストラリアに到着すると見込まれている。

人口増加に伴う住宅需要の拡大を背景に、豪国内では移民政策への批判も強まっている。

保守系ワン・ネーション党のポーリーン・ハンソン党首は、過去4年間で150万人を受け入れたとして政府を批判。「家賃の急騰や住宅取得の困難、医療逼迫の原因になっている」と主張した。同党は、年間22万5000人を目標とする純移民数を13万人に抑える方針を掲げている。

最大野党・自由党も、純移民数を年間18万人に引き下げるよう提案。留学生やワーキングホリデー参加者、非熟練労働者の受け入れ削減を訴えている。

一方、労働党のトニー・バーク移民相は、純移民数は2023年のピークから45%減少したとして反論。「必要な技能労働者を確保しながら、移民数を慎重に減らしている」と強調した。

crystal-rose-jonesはオーストラリア在住の記者。以前はニューズ・コーポレーションにシニア・ジャーナリスト兼編集者として16年間勤務。
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