米、新型コロナの影響少ない約20州で経済活動再開可能=CDC

[ワシントン 15日 ロイター] – 米疾病対策センター(CDC)のロバート・レッドフィールド局長は15日、新型コロナウイルス感染拡大の影響が限定されている約20州で、トランプ大統領が示したように5月1日に経済活動を再開できる可能性があると述べた。

レッドフィールド局長はABCのテレビ番組「グッド・モーニング・アメリカ」で、「新型ウイルス検査を行ったにもかかわらず、感染者が出ていない数多くの郡が存在している」とし、「(新型ウイルス感染拡大の)影響が限定されている州は19、20州あり、州知事が(経済再開に向けた)準備が整ったと判断すれば、CDCにはこうした動きを支援する用意ができている」と述べた。

トランプ大統領は14日、新型ウイルスへの世界保健機関(WHO)の対応を巡り、WHOへの資金拠出を少なくとも一時的に停止するよう政権に指示したと表明。レッドフィールド局長はこれについて、CDCはWHOと世界的な公衆衛生問題で長らく協力してきたとし、「極めて生産的な公衆衛生面での協力関係があった。これは継続される」と述べるにとどめた。

米経済の再開について米ワシントン・ポスト紙は、CDCと米連邦緊急事態管理局(FEMA)が3段階の計画を策定したと報道。

計画によると、5月1日までの第1段階で「全国的な情報伝達、各地域の準備度合いの検証」を実施、5月15日までの第2段階で「緊急財政支援、検査キットと個人防護具(PPE)製造の増加」を行い、第3段階で各地の状況を踏まえ徐々に経済を再開する。

ただ「低い水準」の感染拡大抑制策のみで十分となる地域は感染が全く確認されなかった地域にとどまり、一部の抑制策は継続される必要があるとしている。

レッドフィールド局長はCBSのテレビ番組「ディス・モーニング」で、感染拡大抑制に向けた、人と人との間の物理的距離の確保などの措置は、ワクチンと治療薬が開発されるまで継続する必要があると指摘。「今後もある程度のソーシャル・ディスタンシング(社会的距離の確保)が戦略の中心となる」と述べた。

国立衛生研究所(NIH)傘下の米国立アレルギー・感染症研究所のファウチ所長を含む公衆衛生当局者はこれまでも、早過ぎる時期に感染拡大抑制策を解除し、経済活動の再開に踏み切れば、これまでの取り組みが無駄になると警告。広範な検査を実施するよう呼び掛けてきた。

ファウチ所長はこの日、NBCの番組「トゥデイ」で、経済活動の再開は人口密度などを含むその地域ごとの状況次第になるとし、各州政府は感染者を特定し、隔離すると同時に、感染経路の詳細な調査を実施する必要があると指摘。一部の州では外出制限が継続される一方で、他では感染拡大抑制策が緩和されるなど「対応はまちまちとなる」と述べた。

ロイターの集計によると、15日時点の米国の新型ウイルス感染による死者数は2万8700人。11日に2万人台に乗せ、イタリアを上回って世界最多となった。感染者数は15日時点で61万人を超えている。

*内容を追加しました。

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