知って得するお茶の葉パワー

日本では「日常飯事」と言われるように、お茶が身近に親しまれています。中国には「粗茶淡飯」という言葉があり、簡単で質素な食事という意味で、やはりお茶は日常生活で身近なものだということが分かります。中国、日本ともにお米が主食です。お茶を入れて炊いたご飯は色、味、香りだけでなく、脂肪を減らし、虫歯を予防し、さらには癌を防ぐ働きがあります。

 心臓疾患を防ぐ作用があるカテキンはお茶の葉に多く含まれますが、70~80%が水に溶け出ます。科学実験で証明された通り、カテキンは毛細血管を強くし、破裂や出血を防止します。さらにコレステロールを下げ、動脈硬化を抑制します。食前か食中、さらに高温においてその効果がさらに発揮されます。中高年の人がお茶で炊いたご飯を常食すれば、血管をやわらかくし、血中脂肪を減らし、心臓疾患を防ぐことができるでしょう。

 中風や脳卒中は、人体の中の酸化脂肪が増えすぎることによって血管の弾性が失われることが原因の一つですが、お茶の中のタンニン酸が酸化脂肪の生成を抑えるので、中風の予防にも有効です。

 癌を防ぐ作用として、カテキンは亜硝酸が人体で合成されることを阻みます。亜硝酸塩は食物中に広範囲に含まれる物質で、摂氏37度で適度な酸度があれば、極めて容易に癌発生のもとになる亜硝酸が生成されます。お茶で炊いたご飯は、亜硝酸の生成を防止する効果があるので、消化器系統に腫瘍が発生することを防ぎます。

 歯周病予防の面でも効果があります。お茶の葉に含有されているフッ素化合物は、歯にとって不可欠です。それが少量ずつ絶えず歯の組織に浸透することによって、歯を強靭に保ち、抗酸作用を与え、虫歯を予防します。

お茶ご飯の炊き方

まずお茶の葉1~3グラムを、500~1000グラムのお湯に4~9分漬けます。布巾でお茶を濾し(作り置きのお茶は使えない)洗った米と一緒に釜に入れ、濾したお茶を米の面より3センチ程度の高さまで入れて炊きます。

緑茶の功能

お茶は、唐から日本にもたらされたのが最初だと言われ、当時は薬として紹介され、広まりました。お茶の中でも特に緑茶には良質のカテキンやビタミンがたっぶり含まれています。脳卒中や心筋梗塞を引き起こす元となる動脈硬化に対しては緑茶を常飲するだけで予防効果があり、ふだんから緑茶を飲んでいる人の方が高血圧症になりにくいこともわかっています。

 埼玉県立がんセンター研究所の報告によると、乳がん患者472人を追跡調査したところ、一日に緑茶を4杯以下飲む人の再発生率は24・3%。これに対し、5杯以上飲んでいる人は16・7%と低いことが分かりました。また、緑茶の生産量が一番多い静岡県ではガン死亡率が低く、同じ静岡県内でも、お茶の産地では特に胃ガンの死亡率が低いことも報告されていますが、研究によっては、緑茶より紅茶の方が予防効果があるという報告もあります。

 どんなものも体に良いと言われていても「過ぎたるは及ばざるが如し」、取りすぎは体に悪いこともあります。程好く生活の中に取り入れるとよいでしょう。

茶葉のいろいろな利用法

お茶が持つ多種の栄養や有効成分は、お湯や水にわずか3分の1しか溶けず、多くは茶葉にそのまま残ってしまいます。お茶の葉を丸ごと食べるのは、お茶の持つパワーのすべてを吸収できる最良の方法といえます。すり鉢などで細かくした茶葉や、粉茶や粗挽きにしたお茶は色々な料理に利用できます。茶ガラ入りチャーハン、お茶粥、お茶スパゲッティ、ポテ茶コロッケ、茶葉入りかき揚げなど。脂肪分の多い豚肉などを茶汁で煮込むと、豚肉の余分な脂肪分を落としてくれます。

 その他、消臭効果を利用して、魚を茶汁で洗うと、生臭みやぬめりを取ることができ、食中毒予防にもなります。食後に茶葉で洗うと、まな板や食器、手についた臭いを簡単に取ることができます。飲用後の茶葉をぬるま湯に入れて脚浴をすれば、脚の嫌な臭いが消えます。また、茶ガラを乾燥させて小袋に入れれば、冷蔵庫や魚焼き器、お手洗い、部屋の脱臭としても使えます。

 さらに、抗菌作用を利用して、外出から帰宅したらお茶でうがいをすると、風邪の予防にも効果があります。また、アトピーやかぶれで荒れた皮膚に、やわらかくしたお茶の葉や、濃い番茶をガーゼに浸して貼ったり、赤ちゃんのおしりふきにも使ったりできます。