【紀元曙光】2020年5月11日

李真実(リ ジェンシー)さん。中国出身だが、現在は日本国籍をもつ。
▼これまでに『残虐の大地』『中国共産党の紅い金』(いずれも扶桑社新書)の二書を上梓している。小欄の筆者もよく知っている人で、とても温厚で誠実な人柄であることを保証する。YouTube動画でも、李さん本人が丁寧な日本語で解説しているので、ご視聴いただきたい。
▼上記の一書『残虐の大地』には、「私が生まれ育った中国は、なぜここまで恐ろしい国になったのか」という副題がついている。本の帯には「元中国共産党幹部が命をかけて告発する!」と、やや刺激的なキャッチコピー。読者や視聴者から「身の安全に注意して」と心配されるが、李さん自身は、中共が最も恐れるのは「勇気ある告発者」だと熟知しているので、中共を恐れるところは微塵もない。
▼その本のどこを読んでも、中国共産党のすさまじい悪魔性が伺われる。不幸にして、現代の中国に生まれると、子どもの頃から悪の染め物がめに浸けられてしまう。善良な人も、大なり小なり悪事に加担するか、黙過しなければ生きられないのだ。
▼ここで李真実さんに電話した。「日本人に何を理解してほしいですか」と聞くと、次の2点を挙げてくれた。一つは「中国共産党の邪悪な本質」。もう一つは「中国共産党と中国は別だということ」。その2点を、小欄も共有する。
▼栃木県の足利学校を見学して、日本のほうにこそ、中国の伝統的な精神文化が保存されているのに驚いたと言う。彼のような中国人を友人にもつことが、日本人にとって喜ばしいのは言うまでもない。