米共和党上院議員、対中制裁法案を提示 新型コロナ巡り

[ワシントン 12日 ロイター] – 米共和党のグラム上院議員は12日、中国が新型コロナウイルスの感染が広がった経緯を十分に説明しない場合、同国に広範囲に及ぶ制裁を科す権限を米大統領に与える法案をまとめた。

グラム議員は、中国共産党の「偽り」がなければ、米国にウイルスが広がる事態にはならなかったと確信していると述べた。同議員はトランプ大統領に近いことで知られる。

グラム議員はまた、中国は感染がどのように始まったかを巡る調査を拒んでいるとし、「強制されない限り、中国が本格的な調査に協力することはないと私は確信している」と述べた。

同議員が起草した「COVID─19(新型コロナウイルス感染症)責任法」の法案では、米国または同盟国、世界保健機関(WHO)などの国連機関が主導する同感染症調査の内容について、中国が完全な説明を提供したとの認証を米大統領が法成立から60日以内に行うよう義務付けている。

また、人間にとって健康上のリスクとなり得る「生鮮市場」を中国がすべて閉鎖したことや、新型コロナ流行後の取り締まりで拘束した香港の民主活動家を全員解放したことも保証するよう義務付けている。

大統領には、資産凍結や渡航禁止、ビザ(査証)取り消し、米金融機関による中国企業への融資の制限、中国企業による米証券取引所への上場禁止など、一連の制裁を科す権限を与えている。

法案はこのほか8人の共和党上院議員が共同起草者となっている。

ワシントンの中国大使館のコメントは現時点で得られていないが、中国政府はこれまで、感染拡大について透明性を保ってきたと主張している。

民主党のケイン上院議員は、「中国で物事が誤った方向に進んだのは間違いない」としながらも、全体に目を向ける必要があり、トランプ政権の責任回避を許すべきではないと指摘。

「まずは何が起きたかを明らかにし、それぞれが問題にどのように関与したかを見極めて今後の対応を改善する必要がある。責任を判断するのはそれからだ」と述べた。

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