豪見通しを「ネガティブ」に変更、格付けは「AAA」維持=フィッチ

[シドニー 22日 ロイター] – 格付け会社のフィッチ・レーティングスは22日、オーストラリアの格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に変更した。新型コロナウイルス感染拡大が、国内経済と財政に及ぼす打撃を理由として挙げた。

格付けは「AAA」に維持した。

フィッチは「新型コロナウイルスの国内外の感染拡大を巡る不透明感を踏まえると、リスクは格下げ方向に傾いている」と指摘した。

政府は新型コロナの国内経済への影響を和らげるため、1940億豪ドル(1274億2000万米ドル)の財政出動を表明。中銀も政策金利を過去最低水準に引き下げ、「無制限の」量的緩和に着手した。

こうした措置にもかかわらず、フィッチは豪経済は今年5%縮小すると予想している。

連邦政府と州の財政赤字はともに拡大し、公的債務の国内総生産(GDP)比率は、昨年の41.9%から2021年6月までに58.2%に上昇するとの見通しを示した。

さらに、家計債務は可処分所得の186.8%にまで達しており、ソブリン格付けがAAAの他の国の中では最も高い水準だと指摘。経済や金融安定へのリスクとなっていると説明した。

経常収支は2019年にGDP比0.6%の黒字を記録したが、対GDP比でそれぞれ2020年は0.2%、21年は0.6%の赤字になるとの見通しを示した。

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