全国人民代表大会(全人代)が28日、「国家安全法」を香港に対しても適用できることを採択した。
▼「中国の国会に相当する全人代」と、よく言われる。読者諸氏には申すまでもないが、全人代は国会ではなく「見世物」なのだ。地方の党員にしてみれば、公費で北京に行き、美食と夜の遊興を楽しめる、誠に結構な年中行事でもある。
▼中国には、中国共産党以外の「政党」もある(現在8党)。ゆえに、ヘゲモニー政党制と呼ぶべきだが、実質的な一党独裁であることに変わりない。人民大会堂を見ると、華やかな民族衣装の人も多い。「少数民族の代表もいるよ」という演出である。なお、この「少数民族」という呼称も、中共の政治的意図によるので、日本のメディアは使うべきではないだろう。
▼先述の法案についての採決は「99.7%の賛成」で可決。反対票の1票は、予定された「飾り花」なので、罰せられることはない。結論ありの茶番劇だが、彼らはこれで「香港の自由民主をつぶす法的根拠を得た」と思っているだろう。
▼とんでもない。中共指導部は、自ら地雷を踏んだのだ。20年間にわたる迫害を加えられた法輪功は、消えるどころか、中共の邪悪性を暴露しながら全世界に広まった。勇気ある香港の市民も、必ずや頑強な抵抗をもって、中共の欺瞞性を証明するだろう。もちろん犠牲者が出ないことを願っているが、これで中共解体が加速されるのは確実である。
▼日本は、神か、悪魔か、どちら側に立つか、その旗幟を鮮明にしなければならない。それはまさに、日本の未来を決めることにもなるからだ。
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