アングル:米国のコロナ感染、カリフォルニア州や南西部で急増

[サクラメント(米カリフォルニア州) 9日 ロイター] – 米国のカリフォルニア州や南西部の一部で新型コロナウイルスの感染者や入院患者が急増している。

アリゾナ州は9日、医療機関に対し、新型コロナ対応の緊急計画を発動するよう要請。

カリフォルニア州も、ロサンゼルス、サンタクララ、フレズノ郡など同州の人口の半数が住む複数の郡を監視リストに指定した。

感染の拡大が続けば、地方自治体が外出制限の再導入や強化を決める可能性がある。

新型コロナで1万2000人以上の死者が出ているニュージャージー州は、9日に外出禁止令を解除したばかりだ。

カリフォルニア州サクラメント郡の公衆衛生局長は「患者の多くは、誕生会や葬式など家に人が集まる場で感染したとみられる」と指摘。同州では9郡が監視リストに指定されており、経済再開に向けた措置の縮小を迫られる可能性がある。

アリゾナ州では、5月中旬に外出規制が解除されたが、その後、感染者が115%増加。同州の元保健局長は、新たな外出規制や「野営病院」の導入が必要になるかもしれないと話している。

ロイターの集計によると、米国では9日時点で198万3825人が新型コロナに感染、11万1747人が死亡している。

<21州で感染増加>

米国では9日、21の州が新型コロナ感染症の新規感染者が週間ベースで増加したと報告。ロイターの分析によると、アリゾナ、ニューメキシコ、ユタの各州では、6月7日までの1週間に確認された新規の感染者がいずれも前週比で40%以上増加した。

検査体制が強化されたことも感染者増加の一因だが、カリフォルニア州の2つの郡の保健局によると、多くケースでは、公衆衛生規制の緩和で人が集まる機会が増えたり、買い物客が増加したことが感染拡大の原因となっている。

また保健当局は、社会的距離を確保するルールが守られていないことが感染増加の原因になっているとも指摘。ミネソタ州ミネアポリス市で起きた白人警官による黒人暴行死事件をきっかけとする抗議デモが、感染拡大につながるかどうかは、まだ判断できないとしている。

ボランティア団体「COVIDトラッキング・プロジェクト」のデータによると、米国では6月第1週に新規の感染者が3%増加。前週までは5週連続で新規感染者が減少していた。

ただ、経済活動の再開を求める声は多く、各州は規制の解除を進めている。

ニュージャージー州のマーフィー知事は、教会・シナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)・モスクでの礼拝など屋内の活動について、最大50人までの集会を許可すると発表。屋外では100人までの集会を認める方針を示した。

ワシントン州のインスレー知事も、ベビーシッター・家政婦・パーソナルシェフの職場復帰を許可。別の家族の人が同じゴルフカートに乗ることも認めた。

ワシントン大学は8日、米国の新型コロナ感染症による死者が8月までに14万5728人に達する可能性があるとの見通しを表明。わずか数日で予想を5000人以上引き上げた。外出規制の変更を考慮に入れたという。

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