写真は2019年5月、米NYのパレードで臓器狩りの中止を求める法輪功学習者(戴兵/大紀元)

上海市警察、法輪功学習者に強制採血 各地で多発

中国上海市警察当局は8月初め、法輪功の女性学習者(70)に対して強制的に採血したことがわかった。警官らは「国が定めたことだ」と採血に応じるよう強要した。

法輪功情報サイト「明慧網」によると、上海市石門二路派出所の男性警官4人は8月2日午前、沈芳さんの自宅ドアを壊し、無理やりに住宅に入った。

4人が家に入ると、沈さんの腕を捕まえ、強制的に採血しようとした。沈さんは抵抗し、「なぜ採血するのか」と説明を求めた。その時、一人の警官は「これは国が決めたことだ」と話した。もう一人の警官は「法輪功学習者に対して、法に則らなくてもよいのだ。(学習者)一人も残らず全員を滅ぼすのだ」と叫んだ。

警官4人は沈さんを羽交い締めにし、採血を行った。

中国当局は1999年7月、法輪功学習者に対する弾圧政策を始めた。2006年、中国当局は、法輪功学習者を主な対象とする強制臓器収奪を主導していることが初めて報道された。それ以降、国際NGO(非政府組織)「法輪功迫害追跡国際組織(WOIPFG)」など、複数の人権団体や識者が独立調査を行った。

昨年6月、英ロンドンで、人道犯罪に関する第三者調査の結果を示す「民衆法廷」は、中国当局による臓器奪取問題の最終判決を発表した。民衆法廷は、「大規模な臓器摘出は長年にわたって中国で行われており、法輪功学習者は臓器の供給源の一つであり、また主要な供給源である」との見解を示した。

WOIPFGの汪志遠・会長は8月30日、大紀元の取材に対して「強制採血で得た情報は、中国当局の臓器バンクのデータベースに入れられるだろう」と述べた。

明慧網によれば、7月22日、山東省高密市警察当局が、地元に住む法輪功学習者46人を拘束した。46人全員が強制的に採血をされた。同日、江蘇省南京市の法輪功学習者10人も拘束された際、強制的に採血された。また8月、山東省文登市と四川省重慶市の法輪功学習者も逮捕された後、採血されたという。

(翻訳編集・張哲)

関連記事
2024年4月26日、広東省肇慶市の街中で、多くの無関係な市民が巻き込まれる「無差別殺傷事件」が起きた。
中国では5月1日より、違法な臓器取引を取り締まる新法が施行される。だが、長年にわたり死刑囚や囚人からの強制的な臓器摘出の証拠が絶えない中、新法でこの問題が止むのか。専門家は一様に首を横にふる。
2024年4月17日夕方、中国貴州省安順市にある村で、「覆面をした男が刃渡り長い刃物で市民を切りつける」事件が起きた。
アメリカのブリンケン国務長官は中国訪問の最終日に、中国共産党公安部長の王小洪氏と異例の対話を行った。報道によれば、王小洪氏は「両国間の麻薬取締りにおける法執行の協力」を進める意向を表明しているという。
内閣府への提出資料に中国国営企業のロゴが入っていた問題は、国会とネット世論をどよめかせた。「中国共産党の浸透だ」とする論調に対し、有識者はむしろ「『使える愚か者(Useful ideot)』が日本の政策決定に関わっていることこそ問題だ」と指摘する。