トランプ氏、医療保険・薬価巡り大統領令に署名 効力に疑問符も

[シャーロット(米ノースカロライナ州) 24日 ロイター] – トランプ米大統領は24日、医療保険および処方薬に関する2つの大統領令に署名した。11月3日の大統領選を前に大きな争点の1つである医療保険・薬価の問題で有権者にアピールする狙いがある。ただ、法律専門家は法的効力はほとんどないと指摘する。

トランプ氏はノースカロライナ州シャーロットの空港の航空機格納庫で医療従事者を含む観衆を前に、自らの「米国第一ヘルスケアプラン」を実現するための大統領令に署名。

「私の計画の下、メディケア(高齢者向け公的医療保険)の加入者3300万人が近く、処方薬の支払いで使える200ドルが入ったカードを郵便で受け取ることになる」と表明。

トランプ政権はまた、各州や米領土が価格が低めの処方薬をカナダから輸入することを可能にする新たなルールも打ち出した。

トランプ氏は、前週署名した、メディケアで支払われる処方薬の価格を他の先進国の公的保険で支払われる最も低い価格水準に抑える内容の大統領令によって薬価の一段の値下げが見込まれると述べた。製薬会社や専門家はこの大統領令に対して訴訟が提起された場合に有効性を証明できるかどうかについて懐疑的だ。[nL4N2GB039]

アザー厚生長官は記者団に、新たに署名された大統領令の1つは、既往症を持つ人が医療保険に加入する権利を保護する内容だと説明。同権利は前政権の医療保険制度改革法(オバマケア)によっても保護されているが、トランプ政権はオバマケア廃止を目指している。

アザー氏はまた、2つ目の大統領令を通じて、国民が意図せず保険でカバーされない診察を受け、想定外に高額の医療費請求を受け取る状況をなくす法案を議会と協力して来年初めまでに成立させるよう指示を受けたと明らかにした。法案の形で実現できない場合は、行政措置を検討するという。

民主党のペロシ下院議長はトランプ氏の取り組みは「いんちき」だと批判し、新型コロナウイルス流行を踏まえてオバマケア無効化を求める訴訟を撤回するよう求めた。トランプ政権は6月に最高裁に対し、オバマケア無効化を申し立てた。

一方、ミシガン大学法学部の教授であるニコラス・バグリー氏は今回の大統領令について、「問題となっている行為を禁止する法律が存在するか、大統領が議会の委任によって権限を行使しているのでない限り、大統領の文書はツイートぐらいの法的効力しかない」と指摘した。

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