2026年3月11日、イランを巡る情勢は重大なエスカレーションの局面を迎えた。これまで注視されてきた「ホルムズ海峡の攻防」が本格化し、周辺諸国や国際物流、さらには地政学的なパワーバランスに甚大な影響を及ぼし始めている。
イランによる無差別攻撃とエネルギーインフラへの脅威
イランによる報復の矛先は、湾岸諸国のエネルギーインフラへと向けられている。オマーンの「サラーラ港」では、イランの自爆型無人機(ドローン)が燃料貯蔵施設を直撃し、大規模な火災が発生した。 さらに、ホルムズ海峡を航行する商船への無差別攻撃も開始された。タイ、日本、マーシャル諸島船籍の貨物船3隻がイラン革命防衛隊の攻撃を受け、特にタイ船籍の船は深刻な損傷と火災に見舞われた。イラン側は「米国やイスラエル、その同盟国の船は合法的な標的」とし、「1リットルの石油も海峡を通過させない」と強硬な姿勢を示している。この事態を受け、海運会社はリスク回避のため運航を停止しており、ホルムズ海峡の一日の通航量は平常時の95%〜97%減という、過去に類を見ない水準にまで激減している。
米軍の圧倒的な反撃と「爆弾の母」使用の噂
一方の米軍も、イランに対してかつてない規模の軍事行動を展開している。トランプ大統領は、イランの機雷敷設船をこれまでに28隻破壊したと発表した。 また、テヘラン北西部の山岳地帯に位置する弾道ミサイル貯蔵庫への爆撃では、小型の核爆発を思わせる巨大なきのこ雲が観測された。公式な確認は取れていないものの、アメリカ空軍が保有する非核兵器の中で最大級の破壊力を持つ精密誘導爆弾であるGBU-43/B Massive Ordnance Air Blast (MOAB)、通称「爆弾の母(Mother of All Bombs)」を使用したのではないかとの憶測が飛び交っている。 米中央軍は、イラン海軍が軍事目的で民間港湾を利用し始めていると指摘し、これらの港が正当な軍事打撃の標的になると宣告した。港湾労働者や民間人に対しては、巻き添えを避けるため直ちに退避するよう警告を発している。
米国本土への攻撃懸念と背後に潜む中露の影
戦火の拡大は中東にとどまらない可能性がある。FBIはカリフォルニア州の警察当局に対し、イランが米国沖合の国籍不明船から西海岸に向けて無人機を発射し、報復攻撃を企てている可能性があるとの警告を出した。ただし、トランプ大統領はこの本土攻撃の脅威について「心配していない」と一蹴している。
この一連の紛争の背後には、大国間の思惑が絡み合っている。専門家の分析や一部の情報によると、イランが保有する機雷の多くは中国やロシアから提供されたものである可能性が指摘されている。また、ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシアがイラン支援のために地上部隊を派遣する可能性に言及した。 数週間後にトランプ大統領の訪中が予定される中、米軍が中東で見せている圧倒的な軍事行動は、イランの制圧のみならず、背後にいる中国に対する強力な戦略的牽制(メッセージ)を含んでいるとの見方も浮上している。
この危機はもはや中東の局地的な紛争にとどまらず、世界のエネルギー供給網を人質に取る「海上交通路(シーレーン)を巡る戦争」へと拡大した。さらに米・中・露の思惑が直接ぶつかり合う世界規模の危機へと発展しつつあり、依然として予断を許さない状況である
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