予備費不足なら年明けに補正、家計への再給付検討せず=自民政調会長

[東京 9日 ロイター] – 下村博文・自民党政務調査会長は9日、ロイターとのインタビューで、今後の補正予算の必要性について年内は予備費が十分あり、新型コロナウイルスの影響次第で不足となった場合、年明け以降にも躊躇(ちゅうちょ)なく第3次補正予算を組むと語った。その際、家計への再度の給付金については、一律給付も対象限定の給付もいずれも念頭にないと述べた。経済対策として消費税の減税は政務調査会として議論する考えは無いとの認識を示した。

菅政権の衆院解散時期については、政権発足当時は早期解散が望ましいとの声が党内に多かったものの、今は首相自身がスピード感をもって仕事の成果を上げるとしており、「今すぐに解散する状況ではない。年内はないと思う」との見方を示した。

政府は、コロナ対策として家計への一律10万円給付金を実施したが、下村氏は「考え方としては、岸田前政調会長が提案した所得制限をかけての給付という考え方が正しいと思う」と述べた。ただ「デジタル化の遅れで給付金の受け取りに3カ月も要し、スピード感に欠けていたことを考えれば、必要な時点で届かなければ意味がない」とした上で、「限定給付も一律給付も今時点では考えていない」と述べた。

さらには「日本はすでに世界でも経済対策の規模は大きい。今の段階で追加の支援策を検討するよりも、従来からの支援策を継続していくことが重要だ」との見解を示した。現在実施中の雇用調整金や持続化給付金、家賃補助といった施策を必要に応じて期限を延長するほか、ワクチン購入費や副作用にも国が補償するといった政策を予備費で実施することも臨時国会で議論することになるとした。

その上で「予備費で不足があれば、規模はともかく、躊躇なく第3次補正予算を組む」との考えを示した。

経済対策としての消費税減税の扱いについては「今のところ党内では消費税減税を念頭にした議論は行われていない。税制小委員会でいろいろな議論は出る可能性があるが、政務調査会としてまだ議論しておらず、議論の前提でもない」と指摘した。

財政面では、公的債務がコロナ対策で膨らみ財政再建が難しい課題となっているが、「企業を倒産させずに経済を再生していくことが優先であり、財政再建はその後の話だ」と語った。

金融緩和により財政を下支えする構図が続いているが、「黒田日銀総裁と麻生財務相との間で、政府・日銀が連携をとることで合意している。菅政権でも麻生氏が財務相であり、当然、両者の連携は継続していくことになる」とした。マイナス金利の深掘りについては「今のことろ党内で議論は無く、金融調査会で議論していくことだと思う」と述べた。

またデジタル通貨に関して、党内の新国際秩序創造戦略本部で取りまとめていることを踏まえ「必要に応じて政府への提言や要望、あるいは法律改正において政府と連動しながらやっていこうと思っている。その中で貨幣通貨、仮想通貨も当然重要な1つのテーマになってくると思う」との見通しを示した。

(中川泉 金子かおり 編集:内田慎一)

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