政府、中国製ドローンの政府使用を禁止へ 安全保障の懸念から=報道
政府は来年、政府機関が中国製ドローン(無人航空機)の購入を禁止する新たな規制を施行すると、10月30日付のロイター通信が日本政府・与党関係者6人の話を引用して報じた。国家安全保障上の懸念を払拭するためだとしている。
それによると、情報技術、サプライチェーン、サイバーセキュリティ、知的財産権などの分野が主な懸念材料となっている。
政府はこれらの懸念に直面し、特に中国当局が商用ドローンや監視カメラなど機微な情報を扱う通信機器の輸出を強力に推し進めているという状況を踏まえ、中国への高い経済依存度とのバランスを取らなければならないという。
「日本は中国との外交関係を維持するが、機微技術情報の取り扱いにはより慎重になるだろう」と日本政府高官はロイターに語った。
現在、防衛省は数百機のドローンを保有しており、その中には中国製のものもある。海上保安庁には約30機のドローンがあり、そのほとんどが中国製だ。双方とも、国家の安全が脅かされる場所では、これらの中国製ドローンを使用しないとしている。
政府が中国製ドローンの使用を完全に禁止するかどうかは不明だ。しかし、新たな規制の下で、犯罪捜査、インフラ工事、緊急救助など機密性の高い作業に使用される新しいドローンは、データ漏洩の防止や安全性確保のために、より厳格な基準によって審査されることになるという。
新規制は来年4月から施行される。国名を言及しないものの、中国を念頭に置いて策定されたものだと、別の政府高官は説明した。
このような懸念を抱いているのは日本だけではない。米政府はかねて、中国製ドローンが中国政府の情報収集に使われている可能性に懸念を示してきた。
米内務省は1月、安全上の理由から、中国製ドローン機隊の緊急時以外の飛行を禁止した。米国防総省は8月、ドローンの政府調達で中国メーカーに代わる国内企業5社の製品を選定した。ドローンの国産化に向けた動きが本格化している。
中国ドローンメーカーの代表格「DJI(大疆創新科技)」は、ドローンメーカー世界最大手で、かつては世界商用ドローン市場シェアの70%を占めていた。フランスと米国の研究者は7月、DJIのアプリがユーザーの個人情報を必要以上に収集していると指摘した。
中国当局がDJIを利用して海外で機密情報を収集しているという懸念が高まっている中、DJIの海外事業が大きな打撃を受けている。8月17日付けロイターによると、DJIは今年8月に深圳本社の営業・マーケティング部門を180人から60人に削減した。グローバル映像制作部門もピーク時の40〜50人から3人に減らされ、6人体制の韓国マーケティングチームも解散したという。
(翻訳編集・王君宜)