2020年10月28日、アリゾナ州ブルヘッドシティでの選挙集会に出席するため、ラフリン-ブルヘッド国際空港に到着したトランプ米大統領(BRENDAN SMIALOWSKI/AFP via Getty Images)
何清漣

2020年のアメリカーー燃えながら2つに分裂するビルのよう

4年に1度国民を総動員する米大統領選挙は、アメリカの政治的安定を維持するための重要なプロセスであるのはいうまでもない。しかし、2020年、今回の選挙はこれまでとまったく違う様相を呈した。具体的にいうと、その1.両候補の対立は価値観の対立。米国の復興を目指す共和党と、アメリカの歴史および伝統的価値観を否定する民主党は激しく衝突している。その2.有権者の関心はかつてないほど高く、民主党はウォール街の一部のエリート、マスコミ、教育業界、政治エリートおよび少数派の支持を取り付けた。その3.有権者や候補者に影響する要素がかつてないほど雑多である。その4.投開票日の十数日前から、事前投票のやり直しを希望する郵便投票者が増えている。トランプとバイデン両氏の3回目のテレビ討論会以降、とくにバイデン氏の次男と中国共産党の癒着疑惑が浮上してから、「投票を変更できるか(Can I change my vote)」は検索キーワードの上位にランクインした。

 

今回の大統領選挙を左右する要素はあまりにも多い。ここではこれまでにない3つの要素についてシンプルに論説する。

 

アメリカでの中共ウイルス(新型コロナウィルス)大流行は必然的な結果といえる。国境さえも要らない、個人の行動自由は譲れない、政党間対立が白熱化するこの国ではもはや、大流行を食い止めるのは不可能だといえる。はじめから民主党は、コロナ禍はトランプ氏の続投を阻止するための「天からの助け船」という考えだった。そのため、バイデン氏がコロナ対策の最適な責任者だと宣言するなど、トランプ氏への先制攻撃をいち早く仕掛けた。民主党の地盤となる各州は、死者を全員コロナ感染とカウントするなど感染状況を誇張し、さまざまな策略が施された。

▶ 続きを読む
関連記事
米経済指標の好調さとは裏腹に広がる「不況認識」。主要メディアやニュースアグリゲーターの報道バイアスが人々の心理と世論をいかに誘導しているかを検証する論評
米CDCの報告システム「V-safe」に埋もれていた、無数のワクチン被害者の生々しい手記。公衆衛生を信じながら孤立と破壊に追いやられた人々の悲痛な声と、その過酷な現実に直面した筆者の苦悩を綴った論説
米国は9月25日、パンデミックへの備えに関する国連の政治宣言への支持を拒否した。これは、トランプ政権が国際的な保健機関との関係を断つ一連の動きの最新の措置となった。
台北市長選で、民進党の沈伯洋氏への支持が若者や無党派層に広がっている。「洋流」と呼ばれる動きを、市政への不満、政策と対話を重視する姿勢、中国共産党による選挙介入疑惑から読み解く
中共が加える力が大きくなるほど、日本で生じる反作用も大きくなる。これまでのところ、中共は望みを実現できていないばかりか、逆に少なくとも6つの悪影響をもたらした