中国ネットユーザーが提供した動画では、このほど北京市にある国家信訪局の前で、陳情者約1万人が集まった(スクリーンショット)

北京の陳情窓口機関に1万人殺到か、「中国の法律はすでに死んだ」

中国共産党の圧政下で、理不尽な扱いや抑圧を受けている中国人が増えている。ネットユーザーが提供した映像では、このほど北京市にある国家信訪局(国民の不服や上申、告発、陳情を受け付ける政府機関)に1万人以上の陳情者が殺到した。

同映像では、国家信訪局の前で全国各地の陳情者が長蛇の列に並んでいた。撮影者は動画の中で「(並んでいる人は)1万人に上りそうだ」と言った。もう1本の映像で、天津市から来た陳情者は、国家信訪局に入ってはいけないと知らされた。撮影者は「天津市で(中共ウイルスの)感染が拡大しているため、私たちは列に並んでいたが、追い払われた」と話した。

陳情者が列に並んでいても、地元の政府職員によって地元に連れ戻されることはよくあるという。江蘇省南通市の陳情者、夏明礼さんは最近、国家信訪局の入口で、同局の警備員と地方政府の職員に立ち塞がれたと大紀元に話した。

中国の民事訴訟法に詳しい馬志文氏によると、地方政府が国家信訪局の職員を買収した場合、この地方出身の陳情者は「いくら列に並んでも、信訪局に入れない」という。

各地の陳情者は中央政府に直訴するために、昼夜を問わず、国家信訪局の前で並んでいる。

江蘇省無錫市の陳情者である周小鳳さんは、「去年、国家信訪局に60回以上行った。北京にいた時、雨風の中でも、気温がマイナス十何度になっても、毎日信訪局の前で並んでいた。ほかの陳情者も皆こうしている。夜中に並ぶ人もいる。こうしなければ、信訪局に入ることはできない。人が多すぎるからだ」と語った。

また、馬志文氏は、「陳情者が朝8時に国家信訪局の前で並びはじめ、夜になっても入れないことは多い。だから次の日、もう1度並ばなければならない。ここに並んでいる間は、トイレにも行けないのだ。並んでいる間に倒れたら、将棋倒しが起きて死傷者が出る恐れがある」と指摘した。

陳情者によれば、国家信訪局に入ると、3つの政府陳情窓口がある。1つ目は国家信訪局の窓口。2つ目は党中央規律検査委員会と国家監察委員会の告発受付窓口。3つ目は全国人民代表大会(国会に相当)の受付窓口。

「陳情者は各窓口で簡単な書類に記入するだけだ。国家信訪局も書類を地方の信訪部門に転送するだけだ。陳情者が国家信訪局の職員にもっと説明しようとしたら、直ちに追い出される。職員の態度に怒り出す陳情者がいたが、その場で逮捕された」と馬氏は話した。

遼寧省の陳情者の劉華さんは「最近、国家信訪局に行っていない。直訴しても無駄だ。信訪局に行っても、拘束されるだけだ。中国の法律はもうとっくに死んだ」と嘆いた。劉さんと夫は20年前、地方政府の違法な土地売却を告発し、他の村民たちと抗議活動を行った。地方政府の不正を中央政府に訴えようと、国家信訪局に複数回行ったが、地方政府の報復を受けて、強制収容所に入れられた。劉さんは「地方政府と中央政府はグルだ」と話した。

動画の中で、ある男性高齢者は自身の境遇を話した。男性は過去27年間、国家信訪局に直訴し続けてきたが、政府は耳を傾けることはなかったと訴えた。「昔、匪賊は山の奥にいた。今、匪賊は政府機関にいる」と中国共産党を非難した。

(記者・李新安、翻訳編集・張哲)

関連記事
上海の街なかにも「「給料を払って!」の怒りの大軍が現れた。
邪気渦巻く中国で暴走車が市民をはねる事件「1日に3件」も?
今年、若者をターゲットにした老人ホームが中国の浙江、雲南、重慶、合肥などで急激に人気を集めている。ストレスから解放されたい多くの若者が、このような施設を訪れて「躺平」、つまりゆったりとした生活を満喫している。専門家たちは、若者たちの心理状態が現在の経済状況に左右されており、それが経済にも影響を及ぼしていると警鐘を鳴らしている。
中国には、「一日の始まりに必要な7つのものがあり、それは、薪、米、油、塩、たれ、酢、お茶である」ということわざがあります。お茶は中国の文化の一部としてなくてはならないもので、客人にふるまったり、食後にたしなんだり、その長い歴史の中で育まれてきました。
16日夜、中国山東省済寧市にある大型ショッピングモールで少女(14歳)が転落し、死亡する事故が起きた。 少女は […]