米ファイザー、米工場からコロナワクチン出荷 14日にも接種開始

[13日 ロイター] – 米ファイザーは13日、ミシガン州の工場で、米食品医薬品局(FDA)が緊急使用許可を出した新型コロナウイルスワクチンの出荷を開始した。

独ビオンテックと共同開発したワクチンは、超低温下の輸送のためドライアイスが詰められたケースで早朝にトラックで出荷され、その後、米物流大手・フェデックスと同業のユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)の貨物専用機に積み込まれた。

米国内の病院は、14日も接種を開始するために準備を進めている。医療従事者と長期療養施設の高齢者が最優先で接種を受ける見通しで、国内の人口の大半に行き渡るには数カ月を要するとみられる。ファイザーのワクチンは、約3週間の間隔を空けて2回接種する必要がある。

政府のワクチン開発加速計画「ワープ・スピード作戦」のモンセフ・スラウイ首席顧問は13日のFOXニュースのインタビューで、3月末までに人口の約30%に当たる1億人強に投与が可能との見方を示した。

ただ、米国人の多くは急ピッチで開発されたワクチンの安全性について懸念し、接種をためらっており、これがワクチン普及への障害になる可能性がある。

スラウイ氏は「大半の米国人は、ワクチン接種を受け入れることが非常に重要」と訴え、「われわれが目の当たりにしているためらいの姿勢について、非常に懸念している」とした。

米国の新型コロナウイルスによる死者は30万人に迫り、1日当たりの新規感染者と入院患者は、記録を更新し続けている。

スラウイ氏は、米政府が12月末までに4000万回分(2000万人接種分)のワクチン出荷を目指していると述べた。ファイザーとモデルナのワクチンが含まれる。米食品医薬品局(FDA)の諮問委員会は、17日にモデルナのワクチンの緊急使用許可を勧告するべきかどうかを検討する予定で、勧告されればすぐに許可が出るとみられる。

連邦政府と州政府はワクチン供給で連携しているが、ワクチン接種の優先順位で最終決定権があるのは州政府だ。連邦政府は、最初の出荷分を600以上の場所に配送している。

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