英のコロナ感染「今後数週間で最悪に」、専門家が強い危機感

[ロンドン 11日 ロイター] – 英政府のホイッティ首席医務官は11日、新型コロナウイルスの感染急増で医療サービスが危機的な状況を迎える中、「今後数週間が最悪の期間になる」という見方を示した。

国内のコロナ感染症による死者は8万1000人超と世界で5番目に多く、感染者も300万人以上に膨らんでいる。政府は来月中旬までに優先順位の高い1500万人にワクチン接種を行う方針を示すなど、対策を急いでいる。

ホイッティ氏は、昨年4月時点での入院数が約1万8000人だったの対し、現在は3万人に達しているとBBCテレビに述べ、「重症患者の入院数や死者数にショックを受けていない人はいないと思うが、これは恐るべき事態だ」と危機感をあらわにした。

ジョンソン首相は11日、イングランド南西部ブリストルにある予防接種センターを視察。「集中治療室(ICU)や換気ベッドの逼迫、一部施設での酸素不足など、国民保健サービスに対する脅威を誰もが感じており、時間との闘いになる」と語った。

英首都ロンドンは8日、感染力が強いウイルス変異種が国内で制御不能となり、病院が対応できない恐れがあるとして「重大インシデント」を宣言。イングランドでは再び全面的なロックダウン(都市封鎖)措置が導入されている。

ワクチン接種の目標を達成するためには、週間で200万人にワクチン接種を行う必要がある。英政府は11日、国民の8割強が暮らすイングランド地域で今月末までに最低でも週200万人のワクチン接種を実施できるようにし、春までに数千万人への接種を目指すと明らかにした。

*システムの都合で写真を削除し再送します。

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