「過ぎ去ってゆく者として抱かれおり弥生三月さよならの月」。
俵万智さんの歌集『サラダ記念日』がでたのは1987年。もう34年前になります。
久しぶりに書架からとって懐かしく見ています。もちろん、ケータイもスマホもパソコンもなかった時代。たぶんワープロぐらいはあったかな。それでも文章をつづる言葉に、今よりは体温があったように思います。
ただ、離れた人に気持ちを伝えるのは、やはり電話か手紙でした。手紙というのは、出すのも、もらうのも、いいものですよ。親指で入力した絵文字つきコメントをラインにぶち込める便利さは皆無ですが、あの頃は、あのスロー感が絶妙に良かったではないですか。
3月は、さよならの月。たとえ離れていても、届く思いはきっとあります。
「書き終えて切手を貼ればたちまちに返事を待って時流れだす」。
(慧)
【ほっこり池】サラダの思い出
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