書き終えて切手を貼ればたちまちに返事を待って時流れだす(サラダ記念日)
日本人が、なぜ映画の「寅さん」を今でも好きかというと、その理由の一つは、その時代の風景がバックに映っているからでしょう。
私は東京の葛飾区生まれで、柴又にやや近いのですが、寅さん映画の背景に、自分の見覚えのある町の、昔のたたずまいが映ると、たまらなく嬉しいのです。
俵万智さんの歌集『サラダ記念日』(1987)も、その時代を知る人にとっては、「寅さん」と同じ懐かしさの保存庫なのかもしれません。
手紙を書いて、切手を貼り、赤いポストに投函する。自分でやっていることなのに、胸がしめつけられるようなあの思い。手紙を書く青春を体験した世代でなければ、わかってもらえないでしょうね。
(聡)
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