米産エタノール輸送船3隻が中国に向け航行、輸出急増か=関係筋

[ニューヨーク 8日 ロイター] – 米メキシコ湾岸を出発したエタノール輸送タンカー3隻が中国に向かっていることが、貿易筋3人の話で8日、明らかになった。米国の中国向けエタノール輸出が、急激に増える可能性を示している。

タンカーに積まれたエタノールの総量は、中国が昨年通年に輸入した米産エタノールの量を上回っている可能性がある。新型コロナウイルスや米中貿易戦争の影響による需要低迷にあえいできた米エタノール業界にとって、前向きな動きと言える。

同筋によると、タンカーの輸送能力は一隻当たり約3万トンで、エタノール約24万バレル分。ただ、実際の積載量は不明。

タンカーがいつ中国に到着する予定かも不明。関係筋の1人は、少なくとも2隻は2月末に米国を出発したと述べた。

中国による米産エタノール輸入は、2016年に過去最高の472万バレルに達してから減少傾向にあった。ただ、エタノールの原料であるトウモロコシの中国国内の供給逼迫や、米産エタノールの割安感によって輸入需要が足元で高まっていた。

タンカー3隻とも積載能力の最大限に荷積みされていれば輸送量の合計は約72万バレルとなり、2020年に米国が中国に輸出した50万6000バレルを上回る。

米中両国は昨年1月に第1段階の通商合意に署名しており、中国は米国からの農産品やエネルギー、工業品の輸入を増やすと確約していた。

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