原油先物は上昇、景気回復期待と米在庫減予想で

[シンガポール 9日 ロイター] – アジア時間9日の原油先物は上昇。米上院で1兆9000億ドルの新型コロナウイルス対策が可決したことを受けた世界経済の回復期待のほか、米原油在庫が減少したとの見方で買いが先行している。

ただ、ドル高が進行し、サウジアラビアの石油施設への攻撃で強まっていた供給懸念が後退したため、原油相場の上値は限定的となっている。

0125GMT(日本時間午前10時25分)現在、北海ブレント原油先物の5月限は0.32ドル(0.5%)高の1バレル=68.56ドル。米WTI先物4月限は0.19ドル(0.3%)高の65.24ドル。

Axiのチーフグローバル市場ストラテジスト、スティーブン・イネス氏は「ファンダメンタルズ(基礎的条件)面で相場は引き続き強く支援されており、特にサウジが減産政策の推進で完全に主導権を握っている」と指摘。

サウジの石油関連施設がイエメンの親イラン武装組織フーシ派による攻撃を受けたとのニュースで、ブレントは前日、供給懸念から70ドルを突破したが、サウジ政府が施設の被害や負傷者は出ていないと発表したため、その後下落に転じた。

投資家は引き続き、世界経済の回復見通しに注目している。

イエレン米財務長官は8日、バイデン大統領が掲げる1兆9000億ドル規模の新型コロナウイルス追加経済対策案が「非常に力強い」米景気回復を促進させる十分なリソースを提供するとの見解を示した。

また、ロイター調査によると、先週の米原油と石油精製品の在庫は減少したと見込まれている。

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