大紀元エポックタイムズ・ジャパン

【漢詩の楽しみ】暮 春(ぼしゅん)

 數間茅屋鏡湖濱、萬巻藏書不救貧、燕去燕來還過日、花開花落即經春、開編喜見平生友、照水驚非曩歳人、自笑滅胡心尚在、憑高慷慨欲忘身

 数間の茅屋(ぼうおく)鏡湖(きょうこ)の浜(ひん)、万巻の藏書貧を救わず。燕は去り燕は来りて還(ま)た日を過ごし、花は開き花は落ちて即(すなわ)ち春を経たり。編(へん)を開けば平生の友を見るを喜び、水に照らしては曩歳(のうさい)の人に非(あら)ざるを驚く。自ら笑う、胡を滅するの心尚(なお)在りて、高きに憑(よ)れば慷慨(こうがい)して身を忘れんと欲するを。

 詩に云う。小さくて粗末な我が家は、鏡湖のほとりにある。そこに万巻の書物はあるけれど、それがこの貧乏を救う助けになりはしない。昨秋去った燕が今春また帰ってきたように、私も無駄に日を過ごすなかで、花が咲き、花が落ちて、これで今年の春も過ぎた。書物の一編を開けば、そこに平生の親しい友人を見るように喜ぶが、水に我が顔を映せば、年老いて、まるで昔の自分ではなくなっているのに驚くばかりだ。我ながら、おかしくなる。北方の夷(えびす)を撃滅せんとする士気が、この老いぼれの体内にまだあって、高い所に登った折などには、慷慨のあまり、我が身のことなど忘れてしまおうとするのだよ。

▶ 続きを読む
関連記事
ケールの栄養、効能、食べ方、保存法までまとめた完全ガイド。苦みを抑え、吸収を高める調理のコツも紹介します
寝返りを打っただけで、突然ぐるぐるめまいがすることがあります。原因は、耳の中の小さな「石」かもしれません。
肉や卵だけを食べるカーニボア食は、危険な流行か、治療の道具か。腸、栄養、心臓への影響を科学的に考えます
1200年の歴史を誇る京都の「西陣織」をはじめ、存亡の危機に瀕する日本の伝統工芸の過酷な現実と課題を浮き彫りにした一編。市場原理と文化継承の葛藤を描きつつ、手仕事の価値を後世へ残すための責任と希望を問いかける
今日、歯が痛くても抗生物質があり、暑くてもエアコンがある。当たり前すぎて気づかない現代の恩恵を、先祖の目線から見つめ直してみると、日常への感謝が自然と湧いてきます