険しい二つの山に挟まれて生活していた、愚公という老人の伝説です。山の向こう側に行くには、山道がないために遠回りをしなければなりませんでした。不便な状況に苛立っていた老人は、この障害物を取り除くことに決めました。
家族を集めて、山を掘って貫通させるという壮大な計画を伝えました。皆はこの考えに賛同し助けてくれました。日夜、休みなく働き、土を掘り坂を下り海辺に積み上げていきました。しかし、隣人は「すでに90歳だろう。雑草も抜けないんじゃないか。岩を持ち上げるなどできるわけがない。時間の無駄だ」とあざけ笑いました。それでも愚公は、隣人の嘲笑を無視して作業を続けました。
愚公の家族が深く掘り続けているので、山を司る神は、慌てて天帝にこの様子を伝えました。天帝はこの老人の決意に動かされ、山を動かすために二人の天神を使いに出しました。そのおかげで、村々への交通の便が良くなり、愚公は家族と幸せに暮らしました。90歳近い年齢でありながら、愚公は揺るぎない精神で着実に前進したのです。
愚公移山(ぐこういさん)は、根気よく努力し続ければ、ついには成功するというたとえに使われています。
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